君はSSS賞

 ——るんるん。
 有頂天です。

 「メロン、熟してるよー」
 と、世那くんは、僕が先週選んだメロンの形の容器に入ったアイスとスプーンを手渡してくれた。
 世那くんは一緒に買ったチョコモナカアイスの包装を開けている。一人で食べずに、取っておいてくれたことが嬉しかった。

 サウナに入る前の弱気な自分はどこへやら。
 世那くんのペースにすっかり乗せられ、僕はまた浮かれボーイになっていた。
 メロンも、僕の気持ちも熟してます。……なんつって。

 お風呂に入ったあとのアイスは最高だった。世那くんと一緒に食べてるっていうのも、もちろんあるけれど。

「今日修了式だったんですけど、テスト全部返ってきて……」
「お! どうだった?」
「かなり良い感じでした。世那くんが頑張ってって応援してくれたおかげです」

 やっと言えた! 世那くんに会えたらすぐに言おうと思って、脳内でシミュレーションしてたから、すらすら言葉が出てきた。

「すごいじゃん! りっちゃんが頑張ったからだよ。二年生の良い締めくくりになったね」
「へへ、ありがとうございます!」

 世那くんの言葉選びや話し方には包容力があって、すごく好きだなって改めて思った。
 ずっとずっと話し続けたい、そんな心地よさがある。
 そんなことを考えているうちに、いつの間にか世那くんの手元を見ていたらしい。

「いる?」
 そう言って、僕が答える前に世那くんはチョコモナカアイスを僕の口の前に差し出していた。

「……あっ、え、いただきます……」と言って、遠慮がちに一口食べた。

「これ美味いよねー」と言った世那くんは、僕が食べたところを何の躊躇いもなく齧(かじ)った。

 ……間接キスですよ???
 できるだけ平静を装い、自分のアイスを黙々と食べた。
 僕が動揺している間にも世那くんは話を続けた。

「ってことは、もう春休みっすね」
「……あ、はい、今日から春休みです」
「どっか行く予定とかあるの?」
「うーん、特になくって。休み短いし」
「じゃあ、俺のやりたいこと三つ目、付き合ってくれる?」

 世那くんは、ノーとは言わせないって顔をしていた。

「もちろんいいですけど……三つ目っていうのは?」
「あー、一つ目はたこ焼き、二つ目はサウナだったんすよ」

 えっ……そうだったんだ。たまたまだけど、どっちも一緒にできてる。奇跡だ。

「じゃあ、三つ目は?」
「ゲーセン行きたいんすよね! ゲットしたいフィギュアがあって。二人で協力したほうが取れそうじゃない?」

 僕の答えはもちろんイエスだった。
 明後日の日曜日、僕たちはゲーセンに行く約束をして、ついに連絡先を交換した。

 遊びに誘われたことも、世那くんが春休みにやりたかったことを三つとも一緒にできることも、嬉しすぎてたまらなかった。

 軽くスキップしながら家に帰り、ようやく気がついた。……あ、スーパーのイケメン店員さんのこと聞くの忘れてた。

 んー、まぁ、いっか! なんとかなるなる!