エイルは本気で泊まる気だ。
1LDKのこの部屋じゃ、並んで寝るしか方法が無い!
「早く寝ようよ~」
「……あんた、本気で言ってる?」
「なんで~? 一緒に寝る?」
「)’$&#%”$”#%&→→」
「おうっ!!」
こ、こいつ、わざとやってないだろうな?
は、破壊力が半端じゃない……。
「一緒になんて寝る訳ないでしょ!」
「え~、なんで~?」
「何か問題でもある?」
「あるに決まってるでしょーーー!!」
「むしろ問題しか無いわよ!」
私の心臓は、三日どころか今日にも止まりそうだ。
スースー。
私の葛藤をよそに、後ろで寝息を立て始めた。
その顔を振り返って見る。
「この寝顔は犯罪級だよね……」
「なんで私なんかの所へ……」
「どう見ても、お金なんか有る家にも見えないし……」
この顔を見てたら変な妄想をしてしまう。
「やっぱりリビングの椅子で寝よう……」
色々と考えていたら夜が明けてきた。
結局、一睡もできなかった……。
「眞琴さん、おはよう」
「はいはい、おはよう」
「お腹空いたよー、眞琴さん」
「もう、パンしか無いわよ」
「眞琴さん、だ~い好き」
「うっ!!」
・・・
そう言えば、エイルの言うことが本当なら、私はあと二日で死ぬんだ……。
不意にエイルの言葉がよみがえる。
でも、仕事は仕事。
今日は金曜。
まだ会社はある。
「エイル、帰るなら鍵を閉めて、一階のポストに入れといてね」
私は身支度を急いで済ませると、玄関を出た。
「……!?」
「な、何してんの??」
エイルが後ろから付いてくる。
「僕も行く!」
「ダメに決まってるでしょ!!」
その時、私に声を掛ける者がいた。
「櫻来さん、どうかしたの?」


