予定のままだと、眞琴さんは今日死んでしまう。
僕の存在は、眞琴さんの魂を少しでも埋めることができたのだろうか?
眞琴さんは今、眠っている。
こんな優しい人が、寂しさと悲しさに包まれて命を終わらせるなんて、僕は許せない……。
「あれ、エイル。もう起きてたの?」
「・・うんっ」
「お腹空いた?」
「・・まだ大丈夫」
「眞琴さん、疲れてるんだから、もう少し寝てて」
「いいよ。どうせ起きるから」
「パン食べる?」
「・・うんっ」
眞琴さんは何も変わらない。
自分より誰かに優しい人……。
後、六時間……。
眞琴さん、死なないで。
休日の眞琴さんは僕とテレビを観る。
他愛もない冗談を言う。
後、五時間……。
そして時間だけが残酷に過ぎていく。
嫌なことばかり想像する。
背中が冷たく感じる。
眞琴さん……。
後、四時間……。
後、三時間……。
「もうすぐお昼だね、エイル」
「何食べる?」
「・・まだ要らない」
眞琴さん、優しくしないで。
僕は耐えられない。
「どうしたの? 体調悪い?」
「大丈夫だよ!」
ごめんなさい。
強く言ってしまった。
後、二時間……。
ドクン!
ドクン!!
後、一時間……。
もう僕にできることは何も無いのか?
眞琴さん、
眞琴さん、
眞琴さん……。
そして……
その時間はついに来た。


