コンコンッ
「櫻来 眞琴(さくらこ まこと)さん?」
「はい……!」
「開けて!」
ドアスコープを覗いた私は、頭の中を???で囲まれた。
「開けて!!」
ガチャッ
思わず扉を開けてしまった……。
「だ、誰?」
その男子(こ)は構わず続ける。
「櫻来 眞琴さん。あなたの命は、あと三日で無くなります」
「…………???」
言葉の意味が理解できなかった。
「僕はその三日間を付き添います」
「……はあっ???」
「だから中へ入れて」
その男子(こ)はお構いなしに部屋へ入ろうとした。
「ちょ、ちょっと!」
「何やってんの、あなた!!」
私は慌ててそれを拒否した。
「なんで~!」
「眞琴さん、誰とも住んでないし、友達もいないじゃん」
「ぐっ!!」
なんて痛いところを突いてくるんだ、こいつ!
「と、とにかく、その手の類は結構です! 間に合ってます!」
「え~」
「え~じゃない!」
「あと三日しかないのに」
「だから何なのよ!」
「死ぬんだよ?」
「急にそんなこと言われて信じる人がどこにいるの!?」
私はそう言って、勢いよく扉を閉めた。
バタンッ
心臓が破裂しそうなことに、今さら気が付いた。
なんなの、あの子。
いきなり現れたと思ったら、
あと三日で死ぬ?
付き添う?
中へ入れろ?
意味が分からない。
その瞬間。
ドサッ
扉の向こうで何かが倒れる音がした。
「!?」
私は再びドアスコープを覗いた。
さっきの男子(こ)は見えない。
ガチャッ
恐る恐る、私はもう一度扉を開けた。
「えっ!?」
さっきの男子(こ)が、扉の下で倒れていた。
「き、君、大丈夫?」
「どうかしたの?」
私は声を掛けながら背中をさすった。
息はしている。
しばらくして、かすかな声が返ってきた。
「お……お腹……空いた……」
子猫の鳴き声みたいに聞こえた。
……いや。
どこの誰かは知らないけど、
変な子なのは間違いなかった。

