「そういえば、まだ試してない機能があるんだよ」
部屋の掃除を言及されて早々に撃沈した春太だったが、気を取り直して腕時計型デバイスのホログラム設定インターフェースを操作し始めた。
『……嫌な予感しかしません』
隣に立つレインがジト目で半信半疑の視線の音線を送る中、春太がパラメーターを素早くスライドさせる。
「おおっ!」
『きゃっ!? ちょっと、はるた!』
光の粒子がキュッと収縮し、等身大だったレインの姿が一気に小さくなっていく。
急激な視界の変化に慌てるレインを見上げるようにして、春太はそっと右手のひらを差し出した。
小さくなった光の立体映像が、春太の手のひらのすぐ上に着地する。
もちろん、ホログラムだから手の上に重みはないし、触れる感触もない。
けれど、まるで本当にそこにチョコンと乗っているかのように、手の上で光の粒子が細かくチラチラと揺らめいていた。
「手のひらサイズのレイン、かわいいなwww」
『最小サイズはこのくらいで十分です』
感触こそないものの、手のひらの上でプイッと横を向き、ちょこんと座り込むミニレイン。怒ったポーズすら愛くるしく、春太は目尻を下げてデレデレと頬をゆるませる。
「ん? 衣装も変更できるのか」
操作画面に表示された【衣装設定】のウィンドウ。そこにはドレスやフリルのついた可愛い服のアイコンが並んでいた。
『えっ? ちょっと待ってください!』
「ぶははは! 似合ってるぞ、レイン!」
《ぱっ》
春太がアイコンをタップした瞬間、手のひらの上でパッと光が弾け、レインの衣装がフリルとリボンがふんだんにあしらわれたピンクのフリフリドレスへと一瞬で切り替わった。
『はるた!! 人形じゃありません! 女性の服を勝手に変更しないでください!』
光の透過光でほんのり透ける頬を真っ赤に染め、手のひらの上からぷんぷんと怒りながら指を突きつけて抗議するレイン。
だが、実体のないホログラムである以上、どれだけ怒ったところで春太に触れることすらできず、物理的なダメージを与えることはできない。
そう——“物理的”には。
『だから、はるたはモテないんです!』
《グサッ》
「うぐっ……!?」
雷撃のような勢いで放たれた非情すぎる一言。見えない不可視の刃が、春太のハートを的確かつ深々と貫いた。
「大ダメージ……」
『勝手に変更するからです』
机に突っ伏してガックリと沈没する春太を見下ろしながら、手のひらから机へと移動したフリフリドレス姿のミニレインは、光の腕を組んでフンと鼻を鳴らす。
物理攻撃(触れること)はできないが、精神攻撃は極めて強力だったのだった。
部屋の掃除を言及されて早々に撃沈した春太だったが、気を取り直して腕時計型デバイスのホログラム設定インターフェースを操作し始めた。
『……嫌な予感しかしません』
隣に立つレインがジト目で半信半疑の視線の音線を送る中、春太がパラメーターを素早くスライドさせる。
「おおっ!」
『きゃっ!? ちょっと、はるた!』
光の粒子がキュッと収縮し、等身大だったレインの姿が一気に小さくなっていく。
急激な視界の変化に慌てるレインを見上げるようにして、春太はそっと右手のひらを差し出した。
小さくなった光の立体映像が、春太の手のひらのすぐ上に着地する。
もちろん、ホログラムだから手の上に重みはないし、触れる感触もない。
けれど、まるで本当にそこにチョコンと乗っているかのように、手の上で光の粒子が細かくチラチラと揺らめいていた。
「手のひらサイズのレイン、かわいいなwww」
『最小サイズはこのくらいで十分です』
感触こそないものの、手のひらの上でプイッと横を向き、ちょこんと座り込むミニレイン。怒ったポーズすら愛くるしく、春太は目尻を下げてデレデレと頬をゆるませる。
「ん? 衣装も変更できるのか」
操作画面に表示された【衣装設定】のウィンドウ。そこにはドレスやフリルのついた可愛い服のアイコンが並んでいた。
『えっ? ちょっと待ってください!』
「ぶははは! 似合ってるぞ、レイン!」
《ぱっ》
春太がアイコンをタップした瞬間、手のひらの上でパッと光が弾け、レインの衣装がフリルとリボンがふんだんにあしらわれたピンクのフリフリドレスへと一瞬で切り替わった。
『はるた!! 人形じゃありません! 女性の服を勝手に変更しないでください!』
光の透過光でほんのり透ける頬を真っ赤に染め、手のひらの上からぷんぷんと怒りながら指を突きつけて抗議するレイン。
だが、実体のないホログラムである以上、どれだけ怒ったところで春太に触れることすらできず、物理的なダメージを与えることはできない。
そう——“物理的”には。
『だから、はるたはモテないんです!』
《グサッ》
「うぐっ……!?」
雷撃のような勢いで放たれた非情すぎる一言。見えない不可視の刃が、春太のハートを的確かつ深々と貫いた。
「大ダメージ……」
『勝手に変更するからです』
机に突っ伏してガックリと沈没する春太を見下ろしながら、手のひらから机へと移動したフリフリドレス姿のミニレインは、光の腕を組んでフンと鼻を鳴らす。
物理攻撃(触れること)はできないが、精神攻撃は極めて強力だったのだった。


