そして遙花は意を決し、玲の退院に合わせて玲にはもう会わないと告げた。
「どうして、そう思うの?」
「これ以上、玲君が傷つくのを見たくない。危険な目に遭わせたくないの」
遙花の本当の気持ちは伝えないまま。
「それは、理由にならないよ」
玲は続ける。
「僕は弁護士としてじゃなくて、神城玲として、先輩を守りたいと思った。だから、これは先輩のせいじゃない」
「でも、私と関わったせいでこうなったのは事実。だから――」
「いや、もうこの際はっきり言う。僕は、先輩が好きだ」
「え……」
「だから、守りたいって思った」
「……玲君。でも――」
「できれば、この先もずっと」
玲は今度こそ、目をそらさなかった。
玲の翡翠色の瞳が、遙花をとらえる。
遙花の瞳が揺れた。
「でも、今はまだ色々とやることがあって落ち着かないだろうから、今すぐじゃなくていい。今よりもっと落ち着いてからでいいから。僕とのこれからについても、考えてくれると嬉しい」と、伝える。
「……玲君の気持ちはわかった。でも、今はすぐに答えは出せない。少し、考えさせて」
「うん」



