一時保護中、遙花は仕事を探していた。託児所が併設された職場か、保育園を探してフルタイムで働ける仕事と条件を伝えるも、なかなか見つからず。
社会福祉協議会の貸付制度も提案されるが、遙花は一時保護が明けた後の生活について不安を抱えていた。実家は頼れない。結婚自体が元々反対されており、駆け落ち同然で結婚した。初めはとても幸せだったが、子どもが生まれた途端夫は豹変した。
夫は娘がよかったが、生まれてきたのが男の子だったため興味を示さず、暴言暴力がエスカレート。義両親に相談したが、息子がそんなことするわけがないと取りあってくれない。夫は外面がとてもよく、外出するときは積極的に子どもを抱っこしたり、遙花を気遣うパフォーマンスをとる。周囲からは、「理想の旦那さんで羨ましい」と言われ、遙花はそれが余計に苦しくもあった。
その後、なるべく期間を空けずに職員と役所で支援措置の手続きをした。しかし、その帰り道。
「見つけた」
聞き覚えのある声に、遙花の身体が強張った。
「あ……」
手には光るものが握られている。
「きゃああ!!」
夫が手にした刃先を見て遙花は悲鳴をあげた。



