初恋、のちパパになる―憧れのあなたは母になっていた―


「あの、指輪の交換前の儀式だけどさ」
「うん」
「蒼生に、やらせてもいいかな」
「え、それ……めちゃくちゃあり!」
 玲は目を輝かせる。

「やろうよ。それ、絶対泣く自信ある」
「指輪交換前に泣くの?」
「どこで泣いたっていいじゃん」

「ねえ、さっきから何盛り上がってるのよ」
 ロゼとジェームズが割って入る。
「ああ、遙花さんの子にリングボーイやってもらおうって話です」
「あら、いいじゃない。遙花ちゃんの子……って、え?」
「何か?」
「あ、アンタたち……子どもいたの!?」
「えええ!! いつの間に……」
「いや、僕とは血のつながりはなくて――」
「余計わけわかんないわよ!!」
「だから……」
「私の、連れ子です」
 遙花が言った。

「玲君は、蒼生のことも含めて、私を選んでくれたから」
「それじゃ、玲君は……結婚と同時に、その子のパパになるってこと?」
「そうですよ。もう既にパパみたいなものだけど」
「んまあ!」
 ロゼは固まっている。

「やだあ、姐さんったら。ブラボー過ぎて固まってるわ」
「玲君……」
「何ですか?」
「アンタ、エディよりも亞紗斗よりも男前ね」
 ロゼがボロボロ泣き始めた。

「全然浮いた話聞かないから、結婚どころか恋愛すらしないで生きていくのかと思っていたけど。まさか、アンタの初恋が……既に人の親になる覚悟まで行ってたなんて」
 ジェームズも隣でもらい泣きしている。

「遙花ちゃん。今度こそ、もっと幸せになるのよ」
「はい。もう充分幸せですけどね」
「キャー!!」
「玲君ったら、罪な男ねえ。遙花ちゃんを、玲君なしで生きていけなくしちゃうなんて」
「いや、むしろ僕の方が二人と生きていきたいって思ってるくらいなので」
「何よ、その破壊力抜群のプロポーズ発言は!」
「遙花さんにしか言ってません」
「追撃しないで!」