残念で残念で残念な天才検事と恋する事務官

 昨日も訪れた大型食品スーパーは、今日も今日とて混雑していた。

 検事の運転で、スーパーの駐車場にアウディが進入する。 検事がギアを『R』に入れたのを見て、オレは身を乗り出した。

「検事、ここは健常者用の駐車スペースですよ」

 障害者用ではないですよ、と皮肉まじりに言う。

「入り口から少し離れていますけど」
「蓮、知っているか」

 名前を呼ばれて心臓が小さく跳ねた。

「健常者は、障害者用のスペースに車を停めてはいけないんだ」
「障害者用のスペースは、三つもあるから大丈夫ですよ」

 昨日の検事の言葉を真似すると、「集団で来るかもしれないぞ」と検事はオレの言葉を引用する。

「偉いじゃないですか、検事」

 見直しました、とオレが笑うと、

「あそこに停めると、君がキャンキャンうるさいからだ」

 と吐き捨てて、乱暴にエンジンを切る。わざとらしい粗野な仕草は、照れ隠しに見えなくもなかった。

 人を犬みたいに言わないでくださいよ、と車を降りて検事の後ろを追いかける。にやけそうになる口元を引き締めるように、両手で頬をパチンと叩いた。



【続】


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話の切れ目の関係で今回は短くなってしまいました…すみません…。
明日の更新分では2人の関係が大きく動きます!