Over the EDEN ―夢の向こう側へ―

「何か、不思議な光景よねえ。姐さん」
「そうねえ、ジェームズ。二十年前は、想像もできなかったわね」
 カフェの地下にある、EDEN専用の音楽スタジオ。そこで生まれた音の歴史を、誰よりも間近で見守ってきたオカマ二人。
「次世代に繋がるメロディー。何て素敵な響きなのかしら」
「アタシも、見てるだけで泣けてくるわ。感慨深いわねえ」
「年取るはずだわ。最近やけに涙もろくなっちゃって」
「ほんとそれよ。それにしても、エディは何を企んでるのかしら」
「さあ。でも、何か面白そうね」
「楽しみねえ」

 ロゼとジェームズは、カウンター越しに彼らの様子を見届ける。二十年前も、そうやって見届けてきた。
 そして、今夜。

「EDEN、再始動……いや、新生EDENの、はじまりだ」

 エディが口火を切ると、店内は一気に熱気を増した。
「マジ? めっちゃテンション上がるわ」
 ミナトが目を輝かせる。
「あの頃も楽しかったけど、今回のも間違いなく楽しくなりそうだな」
 キリトも高揚感を隠すそぶりはなく、椅子に座ったままエアーでビートを刻む。

「そこで、今回の各パートなんだけど……」

亞紗斗 40歳。ヴァイオリン
エディ 39歳。ヴォーカル&エレキハープ
キリト 37歳。ドラム
ミナト 37歳。エレキギター
エリサ 36歳。シンセサイザー

そして。

「あ、あたしも?」

梨歩 38歳。 ヴォーカル&アコースティックギター

さらに。


律 10歳。ヴァイオリン
玲 11歳。ピアノ
瑠花 13歳。グランドハープ


次世代との共演。


「名付けて『Over the EDEN』。――始動だ」