3日後。
学校をサボって飛月くんに会いに行った。
両親は、私が学校をサボる事に関しては特に何も言ってこなかった。私には期待してないから。それはそれで楽だ。
チケットを買ったのが遅かったから、後ろの方の列で静かにライブを見た。椅子はなく、ずっと立ちっぱなし。飛月くんは、動画投稿アプリやSNSで見た通りのビジュアルで、やっぱり私の好みの顔だった。
私はペンライトを黄色に光らせて振って、ずっと飛月くんだけを見ていた。
1時間ほどライブをして、次は特典会。ライブよりも特典会が目当てだ。だって、飛月くんとツーショットが撮れるから…。
飛月くんの列に並び、自分の番が来るのを待っていた。
待っている間に他のメンバーの様子を見てみた。メンバーとオタクがパイプ椅子に座ってツーショットを撮りながらいろいろ喋っていた。思っていたよりも距離が近そうだし、割と喋る時間もありそう…。
…やばい。めちゃくちゃ緊張してきた…。だって、3日前に一目惚れした男といきなりツーショット撮るんだもん…。
「はい交代でーす。次の方ー」
スタッフさんに声をかけられ、いよいよ私の番が来てしまった…。
「…あ…。えっと…。10枚お願いします…」
あわあわしながらスタッフさんにツーショット券と自分のスマホを渡した。チェキとかではなく、ファンのスマホでスタッフさんが撮影してくれるスタイルだ。
そして私は、飛月くんの方を見た。
彼は笑顔で私を見ながら「こんにちはー」と言って手を振ってくれていた。
“…やばい。いる。本物の飛月くんがいる。しかもこっちを見てる。やばいやばい。無理無理無理。か、かっこいい…。”
いざ本人を目の前にすると何も喋れなくなって、石のように固まってしまった。
「緊張してるのー?」
飛月くんの優しい問いかけに対し、私はコクコクと頷く事しか出来なかった。頷きながらパイプ椅子に座った。隣に飛月くんがいる。近い。めちゃくちゃいい匂いがする…。
「あはは!可愛いー!」
“可愛い”
その言葉は、人生で初めて言われた。
今まで家族からも言われた事なかったのに…。
なんなら同級生の男子からは、『可愛い』とは真逆の言葉をたくさん言われてきた。
飛月くんが言う『可愛い』は、『緊張している姿が可愛い』という意味なんだろうけど、『可愛い』と言われたこと自体が本当に嬉しかった。
「ハート作るー?」
飛月くんの方からそう言ってくれて、2人でハートを作り、スタッフさんはそれを撮ってくれた。
正直、可愛いと言われて頭が真っ白になって、ポーズはもうなんでもよかった。飛月くんとツーショットを撮れるだけで幸せだった。
「名前は?なんていうの?」
「…まゆか…です…」
「まゆかちゃん!名前も可愛いー!もう覚えた!」
名前を呼んでくれた。飛月くんが。私の名前を…。
私以外にもたくさんオタクはいるけど、本当に覚えてくれたのかな…?
ハートのポーズ以外にも、ピースとか うさみみとか見つめ合いとか…。10枚買ったから いろんなポーズが出来た。緊張しすぎてあまり記憶がないけど…。
「ありがとう!また来てねー!」
あっという間に10枚撮り終え、飛月くんとバイバイし、スタッフさんからスマホを受け取って捌けた。
…緊張して全然喋れなかった…。
顔を真っ赤にしながら、とりあえず会場の外に出て、スマホを開き、飛月くんとのツーショットを確認した。
「…私、まじでめちゃくちゃブスじゃん…」
自分の顔がブスすぎてびっくりした。隣の飛月くんの顔が良すぎるせいもあるけど…。
でも、もはやそんなのは どうでもいいくらい幸せで、満足感が凄かった…。まだ胸がドキドキしている…。
推しとツーショットが撮れた上に、「可愛い」って言ってもらえて、名前まで呼んでもらえて、しかもめちゃくちゃ優しくて神対応だった。
“こんなにも優しくて神様みたいな男の子がこの世界に存在するんだ”
って思った。
だって、私の同級生の男子達は、ありさと私を比べて、私に心無い事をたくさん言ってきたから…。
でも、飛月くんだけは違う。
この世界で私に優しく接してくれる人は、飛月くんだけだと思った。
3日前よりももっと飛月くんの事が好きになった。
学校をサボって飛月くんに会いに行った。
両親は、私が学校をサボる事に関しては特に何も言ってこなかった。私には期待してないから。それはそれで楽だ。
チケットを買ったのが遅かったから、後ろの方の列で静かにライブを見た。椅子はなく、ずっと立ちっぱなし。飛月くんは、動画投稿アプリやSNSで見た通りのビジュアルで、やっぱり私の好みの顔だった。
私はペンライトを黄色に光らせて振って、ずっと飛月くんだけを見ていた。
1時間ほどライブをして、次は特典会。ライブよりも特典会が目当てだ。だって、飛月くんとツーショットが撮れるから…。
飛月くんの列に並び、自分の番が来るのを待っていた。
待っている間に他のメンバーの様子を見てみた。メンバーとオタクがパイプ椅子に座ってツーショットを撮りながらいろいろ喋っていた。思っていたよりも距離が近そうだし、割と喋る時間もありそう…。
…やばい。めちゃくちゃ緊張してきた…。だって、3日前に一目惚れした男といきなりツーショット撮るんだもん…。
「はい交代でーす。次の方ー」
スタッフさんに声をかけられ、いよいよ私の番が来てしまった…。
「…あ…。えっと…。10枚お願いします…」
あわあわしながらスタッフさんにツーショット券と自分のスマホを渡した。チェキとかではなく、ファンのスマホでスタッフさんが撮影してくれるスタイルだ。
そして私は、飛月くんの方を見た。
彼は笑顔で私を見ながら「こんにちはー」と言って手を振ってくれていた。
“…やばい。いる。本物の飛月くんがいる。しかもこっちを見てる。やばいやばい。無理無理無理。か、かっこいい…。”
いざ本人を目の前にすると何も喋れなくなって、石のように固まってしまった。
「緊張してるのー?」
飛月くんの優しい問いかけに対し、私はコクコクと頷く事しか出来なかった。頷きながらパイプ椅子に座った。隣に飛月くんがいる。近い。めちゃくちゃいい匂いがする…。
「あはは!可愛いー!」
“可愛い”
その言葉は、人生で初めて言われた。
今まで家族からも言われた事なかったのに…。
なんなら同級生の男子からは、『可愛い』とは真逆の言葉をたくさん言われてきた。
飛月くんが言う『可愛い』は、『緊張している姿が可愛い』という意味なんだろうけど、『可愛い』と言われたこと自体が本当に嬉しかった。
「ハート作るー?」
飛月くんの方からそう言ってくれて、2人でハートを作り、スタッフさんはそれを撮ってくれた。
正直、可愛いと言われて頭が真っ白になって、ポーズはもうなんでもよかった。飛月くんとツーショットを撮れるだけで幸せだった。
「名前は?なんていうの?」
「…まゆか…です…」
「まゆかちゃん!名前も可愛いー!もう覚えた!」
名前を呼んでくれた。飛月くんが。私の名前を…。
私以外にもたくさんオタクはいるけど、本当に覚えてくれたのかな…?
ハートのポーズ以外にも、ピースとか うさみみとか見つめ合いとか…。10枚買ったから いろんなポーズが出来た。緊張しすぎてあまり記憶がないけど…。
「ありがとう!また来てねー!」
あっという間に10枚撮り終え、飛月くんとバイバイし、スタッフさんからスマホを受け取って捌けた。
…緊張して全然喋れなかった…。
顔を真っ赤にしながら、とりあえず会場の外に出て、スマホを開き、飛月くんとのツーショットを確認した。
「…私、まじでめちゃくちゃブスじゃん…」
自分の顔がブスすぎてびっくりした。隣の飛月くんの顔が良すぎるせいもあるけど…。
でも、もはやそんなのは どうでもいいくらい幸せで、満足感が凄かった…。まだ胸がドキドキしている…。
推しとツーショットが撮れた上に、「可愛い」って言ってもらえて、名前まで呼んでもらえて、しかもめちゃくちゃ優しくて神対応だった。
“こんなにも優しくて神様みたいな男の子がこの世界に存在するんだ”
って思った。
だって、私の同級生の男子達は、ありさと私を比べて、私に心無い事をたくさん言ってきたから…。
でも、飛月くんだけは違う。
この世界で私に優しく接してくれる人は、飛月くんだけだと思った。
3日前よりももっと飛月くんの事が好きになった。

