高2になって、また二階堂と同じクラスになった。
矢野先輩のことで悩んでいた時に、相談に乗ってくれたのがきっかけで、二階堂とは一気に仲良くなった。
だから、また同じクラスになれたことは素直に嬉しかった。
お昼を一緒に食べるようになり、さらにいろいろな話をするようになった。
二階堂は、バレー部のエースだった矢野先輩に憧れて、同じ部活に入部したことを話してくれた。
技術的な面だけでなく、後輩に対する接し方やストイックに練習に励む姿を真近で見て、人としても尊敬するようになった。
だから、VECTAとして活動する先輩のことも、応援したい、と言っていた。
俺と二階堂は、いわゆる「同担」ということになる。
だけど、お互いに同担拒否はしない。
二階堂は、むしろ、自分が取り持った俺と先輩の仲を、誰よりも温かく見守ってくれている。
本人も先輩に憧れているからこそ、「あんなかっこいい人なら、好きになるのも無理はない」と、俺たちの関係をすんなり理解してくれた。
俺もそんな二階堂に感謝しているし、推しの活躍を共に喜び合える、かけがえのない関係だと思っている。
VECTAがデビューして、最初に行われたリリイベに、二階堂も誘ったのだが、バレー部の試合と重なり行けなかった。
地方のリリイベに遠征するのは、俺たち高校生には日程・金銭面でハードルが高い。
先輩からは、「応援してくれるのは嬉しいけど、無理はするな」と言われている。
そんなこともあって、二階堂と一緒にVECTAのステージを観に行けたのは、デビューして約一年後の、初単独ライブだった。
一年の間、VECTAは地道なイベント活動を続けながら、公式動画チャンネルの開設や深夜の音楽番組への出演、俳優班メンバーのドラマ出演などを通して、着実にファンを増やしていった。
そして、満を持して大規模ライブハウスでのワンマンライブ開催となった。
ありがたいことに、矢野先輩から、俺と二階堂、そして先輩と特に仲が良かったバレー部の同期3人、計5人が招待された。
芸能人になっても、先輩が高校時代の仲間を大切にしてくれていることが嬉しかった。
2階のセンター付近の席に5人並んで、デビュー時よりもさらに成長したVECTAのパフォーマンスを観た。
控えめに言って、最高すぎた。
ライブ中盤、メンバーが一人ずつ挨拶をするために横一列に並んだ時、先輩が俺たちの方を見上げて手を振ってくれた。
推しから確定ファンサをもらえるって、こんなにも幸せな気持ちになるんだ。
先輩の友達の一人が、「なにこのトキメキ」と胸を押さえたので、俺は「まんまと釣られましたね」と耳打ちした。
ライブが終わったあと、5人でファミレスで遅い夕飯を食べながら、感想を語り合った。
全員、興奮状態で、
「想像以上だった」「鳥肌が立った」「余韻がハンパない」と絶賛した。
先輩がカッコいいのは当然として、グループ全体としても、とても魅力的だった。
個性はバラバラなのに、目指す方向や核となる部分が同じなのだろう。
息がぴったり合っていて、見ていてとても心地が良かった。
二階堂は、これまでアイドルにハマった経験がなく、今回が初のライブ参戦だと言っていた。
ライブ中に、チラッと隣の二階堂の顔を見たら、目に涙を浮かべてステージを凝視していたのが印象的だった。
そのことを、帰り道で二人きりになった時に、
「泣くほど感動した?」
と聞いてみたら、
「なんかさ…こんな風に、たくさんの人間を幸せにできるのって、すげぇなって胸に詰まるものがあったんだ。
ここでライブを観ている人達それぞれ、明日からも頑張ろう、生きててよかったって思ったりしてるんだろうなって。
アイドルになりたいとか、羨ましいとか、そういうのとは違うんだ。
ただ、あんな圧倒的な熱量を見せつけられたら、僕も人生かけて、誰かの心を動かせるような何かに打ち込みたい…って、焦りのようなものを感じたんだよね。」
二階堂は、感受性が豊かだし、物事を少し斜め上から見ているな、と思う。
でも、言っていることは理解できるし、それこそ俺自身も、先輩に釣り合うようもっと努力しないといけないな、と漠然とした焦りはある。
とりあえず、推し仲間と推しについて語り合う楽しさを知った夜だった。
矢野先輩のことで悩んでいた時に、相談に乗ってくれたのがきっかけで、二階堂とは一気に仲良くなった。
だから、また同じクラスになれたことは素直に嬉しかった。
お昼を一緒に食べるようになり、さらにいろいろな話をするようになった。
二階堂は、バレー部のエースだった矢野先輩に憧れて、同じ部活に入部したことを話してくれた。
技術的な面だけでなく、後輩に対する接し方やストイックに練習に励む姿を真近で見て、人としても尊敬するようになった。
だから、VECTAとして活動する先輩のことも、応援したい、と言っていた。
俺と二階堂は、いわゆる「同担」ということになる。
だけど、お互いに同担拒否はしない。
二階堂は、むしろ、自分が取り持った俺と先輩の仲を、誰よりも温かく見守ってくれている。
本人も先輩に憧れているからこそ、「あんなかっこいい人なら、好きになるのも無理はない」と、俺たちの関係をすんなり理解してくれた。
俺もそんな二階堂に感謝しているし、推しの活躍を共に喜び合える、かけがえのない関係だと思っている。
VECTAがデビューして、最初に行われたリリイベに、二階堂も誘ったのだが、バレー部の試合と重なり行けなかった。
地方のリリイベに遠征するのは、俺たち高校生には日程・金銭面でハードルが高い。
先輩からは、「応援してくれるのは嬉しいけど、無理はするな」と言われている。
そんなこともあって、二階堂と一緒にVECTAのステージを観に行けたのは、デビューして約一年後の、初単独ライブだった。
一年の間、VECTAは地道なイベント活動を続けながら、公式動画チャンネルの開設や深夜の音楽番組への出演、俳優班メンバーのドラマ出演などを通して、着実にファンを増やしていった。
そして、満を持して大規模ライブハウスでのワンマンライブ開催となった。
ありがたいことに、矢野先輩から、俺と二階堂、そして先輩と特に仲が良かったバレー部の同期3人、計5人が招待された。
芸能人になっても、先輩が高校時代の仲間を大切にしてくれていることが嬉しかった。
2階のセンター付近の席に5人並んで、デビュー時よりもさらに成長したVECTAのパフォーマンスを観た。
控えめに言って、最高すぎた。
ライブ中盤、メンバーが一人ずつ挨拶をするために横一列に並んだ時、先輩が俺たちの方を見上げて手を振ってくれた。
推しから確定ファンサをもらえるって、こんなにも幸せな気持ちになるんだ。
先輩の友達の一人が、「なにこのトキメキ」と胸を押さえたので、俺は「まんまと釣られましたね」と耳打ちした。
ライブが終わったあと、5人でファミレスで遅い夕飯を食べながら、感想を語り合った。
全員、興奮状態で、
「想像以上だった」「鳥肌が立った」「余韻がハンパない」と絶賛した。
先輩がカッコいいのは当然として、グループ全体としても、とても魅力的だった。
個性はバラバラなのに、目指す方向や核となる部分が同じなのだろう。
息がぴったり合っていて、見ていてとても心地が良かった。
二階堂は、これまでアイドルにハマった経験がなく、今回が初のライブ参戦だと言っていた。
ライブ中に、チラッと隣の二階堂の顔を見たら、目に涙を浮かべてステージを凝視していたのが印象的だった。
そのことを、帰り道で二人きりになった時に、
「泣くほど感動した?」
と聞いてみたら、
「なんかさ…こんな風に、たくさんの人間を幸せにできるのって、すげぇなって胸に詰まるものがあったんだ。
ここでライブを観ている人達それぞれ、明日からも頑張ろう、生きててよかったって思ったりしてるんだろうなって。
アイドルになりたいとか、羨ましいとか、そういうのとは違うんだ。
ただ、あんな圧倒的な熱量を見せつけられたら、僕も人生かけて、誰かの心を動かせるような何かに打ち込みたい…って、焦りのようなものを感じたんだよね。」
二階堂は、感受性が豊かだし、物事を少し斜め上から見ているな、と思う。
でも、言っていることは理解できるし、それこそ俺自身も、先輩に釣り合うようもっと努力しないといけないな、と漠然とした焦りはある。
とりあえず、推し仲間と推しについて語り合う楽しさを知った夜だった。

