店から寮へ帰る間も、俺は気もそぞろだった。
「パフェ美味しかったねー」
「やっぱりチョコにすればよかったかな……」
「また行こうね」
中谷のどんな言葉にも、全て「ああ」で返すという失礼っぷりだったのに、その名前が出てきた途端、急に意識が現実に引き戻される。
「バイト中のキタくんを見れたのも、レアな体験だったよね」
「————!」
思わず、ハッと中谷の顔を見てしまったが、特に不振に思われた様子はない。
「バイト中の俺と会っても、「北里悠臣」だと思わないでくれって……いったいどういうことなんだろうって思ってたんだけど……なるほど、雰囲気違ってて、確かに別人と言われれば、そう見えるかも……」
俺にとっては、どこからどう見ても悠臣以外の誰でもなかったのだが、ひとまずこれまでと同じ返事を、かろうじて声に出すことに成功する。
「……ああ」
「あの人が今の依頼人なのかな?」
中谷の問いかけに、返せる情報も判断材料も、俺は何一つ持ち合わせていない。
「…………」
否応なく黙っていると、中谷が納得したように頷いた。
「バイト内容は極秘なんだもんね。もう、この話題はやめておくね」
「……ああ」
中谷が良い奴過ぎて申し訳ないと思いながらも、他に言える言葉もなく、俺はそれまでと同じ返事をくり返すしかなかった。
「パフェ美味しかったねー」
「やっぱりチョコにすればよかったかな……」
「また行こうね」
中谷のどんな言葉にも、全て「ああ」で返すという失礼っぷりだったのに、その名前が出てきた途端、急に意識が現実に引き戻される。
「バイト中のキタくんを見れたのも、レアな体験だったよね」
「————!」
思わず、ハッと中谷の顔を見てしまったが、特に不振に思われた様子はない。
「バイト中の俺と会っても、「北里悠臣」だと思わないでくれって……いったいどういうことなんだろうって思ってたんだけど……なるほど、雰囲気違ってて、確かに別人と言われれば、そう見えるかも……」
俺にとっては、どこからどう見ても悠臣以外の誰でもなかったのだが、ひとまずこれまでと同じ返事を、かろうじて声に出すことに成功する。
「……ああ」
「あの人が今の依頼人なのかな?」
中谷の問いかけに、返せる情報も判断材料も、俺は何一つ持ち合わせていない。
「…………」
否応なく黙っていると、中谷が納得したように頷いた。
「バイト内容は極秘なんだもんね。もう、この話題はやめておくね」
「……ああ」
中谷が良い奴過ぎて申し訳ないと思いながらも、他に言える言葉もなく、俺はそれまでと同じ返事をくり返すしかなかった。



