花が散った青い春に何の意味があるのだろうか

「悪い、遅くなった」
「んーん、いいよ」

 急いで駐輪場に向かい、海に声を掛ける。
 昨日と同じようにスタンドを立てた海は、自転車に乗ってカラカラと漕いで暇を潰していたようだった。

「そういえば、進路希望調査出せって先生が言ってたぞ」
「ちょっとやめてよ。翼まで先生たちの回し者になったの?」
「言い方悪すぎだろ」
「翼は出した?」
「おう。白紙だけどな」
「あはは、やっぱりね」

 やっぱり、あんな紙切れ1枚に書ける程度の進路を考えるよりも、海と駐輪場で駄弁っている時間の方が有意義に感じる。まあ、俺が進路について真剣に考えていないだけかもしれないが。

「今日はもう帰ろ」
「そうだな。部活ももう終わったっぽいし」

 今日も話しながら自転車を押して歩いて帰れば、いつもの分かれ道に着いた。何故かいつもより早く着いた気がする。

「じゃあな」
「うん」

 海は手を振って帰って行った。
 海の姿が見えなくなった後、俺はまたいつものように自転車を漕ぎだした。