花が散った青い春に何の意味があるのだろうか

 段々と地平線から日が昇ってくる。まだ薄暗い空だが、少しずつ明るくなっていく景色が今の俺には眩しく見えた。

「帰ろう」

 まだ眠たい目を擦り、ふらつきながら旅館へ戻る。
 部屋に入ると、海はまだ寝ていた。海が起きない内にシャワーで海水流し、着替えておいた。

「海、そろそろ起きろ」
「ん~…おはよう翼」
「おはよう、寝起き良いんだな」

 朝から機嫌が悪くなることなく起きた海に感心する。
 それから2人で朝食を食べ、チェックアウトの時間になったので荷物をまとめてから外へ出る。夏の日差しは強く、思わず目を細めてしまう。

「どこか行きたいところあるか?」
「海」
「また?」
「だって好きなんだもん」

 2人並んで海に向かって歩いていく。
 昨日の夜の会話が夢だったかのように、いつも通りの海だ。その様子が少し怖かった反面、安心した。