まほろばストレンジ〜あなたの|未来《アヴニール》に介入します〜

しばらく走り、路地裏に入ったとき、目の前に一匹の白い猫と目が合った。
綺麗な銀色の瞳をした不思議なその猫が何かを訴えるようにこちらをじーっと見ている。その銀の瞳は引き込まれるというより吸い込まれる感覚に近かった。猫のあとをついていくこと数分、小さな喫茶店に辿り着いた。周りにはいくつかの植木鉢が置かれ、壁には蔦(つた)が生い茂っている。扉の横にある透明なケースの中にはさまざまなコーヒーのサンプルがある。入り口には決済方法や喫煙室ありの張り紙が貼られていて、『営業中』という看板が置かれている。
僕はコーヒーの苦味が得意じゃないからカフェに行くことはほとんどない。ましてや流行りのカフェなんてキラキラ女子やリア充ばかりで居心地が悪くて仕方ない。そもそも引きこもりだから外の世界なんて眩しいだけ。
そんな僕がなぜかこの喫茶店に導かれた。いや、この猫に誘(いざな)われたという方が正しいかもしれない。
カランコロンと音を立てた鈴の音。
外との世界を遮断するような薄暗い店内とゆったりとしたBGMが僕の心を奪った。
一歩足を踏み出すとカウンターに立っていた女性と目が合った。ショートカットの似合う美しい人で、首にぶら下がった『M』のイニシャルチャームが印象的だった。柔らかく微笑むその笑顔は、髪が長くて垂れ目の母さんとは似ても似つかないはずなのに、どこか母親の面影(おもかげ)を感じた。この人が店主だろうか?

「いらっしゃい」

カウンターに案内されると水とおしぼり、メニューを渡された。商品名の下に産地やこだわりの豆の説明書きがあったがそもそもコーヒーを飲まないので情報が全く入ってこない。
次のページに記載されていたジンジャーエールを注文した。
喫茶店に来てコーヒーを頼まないなんて無粋(ぶすい)だろうか?
飲み会のとき、最初の一杯はビールじゃないと変な空気になるあの感じだろうか?店員さんからしたら「こいつ何しに来た?」って思われるかもしれない。そう思うと心がそわそわする。
でも暑い日はシュワシュワしたものが飲みたくなる。
どうして暑くなると炭酸を欲してしまうのだろう。肉を食べるときに欲してしまうのと同じ心理なのだろうか?そんなこと考えている間に「どうぞ」という言葉と同時にジンジャーエールを提供される。
ストロー越しに一口飲むと、炭酸の刺激が喉から胃に向かって下りてきて緊張を和らげた。
あの事件が起きるまで、細かいことをそこまで気にするような人間じゃなかった。冗談で言った一言で傷つけてしまったことや、あのときああしておけばよかったという後悔。悔恨(かいこん)なんて言ったら大袈裟かもしれないけれど、それくらい日々の小さなことを気にしては引きずってしまうようになった。
はじめて訪れた店で大人ばかりがいる場所はどうも慣れない。人はそういうとき、辺りをきょろきょろするらしい。
奥にある本棚を見遣(みや)ると、無数の本が並んでいて、棚の下には「ご自由にお読みください」とメモ書きがある。
席を立ち、並んでいる本を見てみる。と、そこには百目鬼 瞠の作品が並んでいた。
処女作である『魔女狩りの魔女』や代表作『凍結世界(フローズンワールド)』。お目当てだった短編集もあったが、その横にははじめて見る作品があった。
『ブレイクスルー〜魔法使い見習いの私が転生した先は侍と忍者が争う国でした〜』
異世界からやってきた、たった一人の魔女見習いの少女が長年に渡るサムライとニンジャによる覇権争いに巻き込まれるコメディ要素のある短編小説。
ミステリー作家として名を馳せた百目鬼 瞠のため、その要素のないこの作品はコアなファン以外認知されていない。そのため限られた古本屋にしか置かれていない。
稀覯本(きこうぼん)とまではいかないが、一部のファンの間ではプレミアがついているらしい。僕自身タイトルは知っていたが見つけることができず半ば諦めていた。
短編集よりもこっちが読みたくなったので、それを手に取りカウンターに座る。
好きな作家の作品だとどうしても期待値が高くなるけれど、どうしてこれが売れなかったのか不思議でならないくらい面白かった。
ヒロインとペットのやりとりや、彼女が侍と忍者どっち側につくのかもワクワクしたし、結末も意外で面白かった。
ジンジャーエールの炭酸が抜けていたことに気づかないくらい夢中で読み進めていき、キリの良いところまで読み終えて一息つく。
うーんと心の中で声を出し、背伸びしてトイレに向かう。
トイレから戻り続きを読もうとすると、いつの間にか僕の二つ隣に座っていた40代くらいのスーツの男性が店主に向かって話しかけていた。おそらく常連だろう。
自然と耳を傾けていた。

「ことちゃん、タバコ一本ちょうだい」

店主の名前は琴星さんというらしく、『ことちゃん』の愛称で親しまれているそうだ。

「一本二万円ね笑」

「冗談きついよ」

「先週もタバコ持って来てなかったでしょ?」

「金がないんだ」

「いい歳していつまでギャンブしてんのよ。そんなんだから奥さんに逃げられるのよ」

「そんな俺も魅力的だろ?」

「はいはい」

「相変わらず冷たいな」

「この返し求めてくせに」

「じゃあことちゃん、俺の嫁になってくれ」

「生まれ変わったら候補にしてあげてもいいわよ」

「それ第一候補じゃないだろ?」

「そうね、第一億候補くらいかな」

「絶望的じゃんか」

琴星さんと常連さんのやりとりは微笑ましかった。

「そうだ、兄ちゃん、タバコ持ってないか?」

完全に気を抜いていた。まさか自分に方向が向くなんて思わず、あたふたしてしまった。

「いえ、僕タバコ吸わないので」

「吸いそうな顔してんのにな」

どんな顔だよ。ってか失礼な人だな。
そう心の中で突っ込むも口に出すことはなくただ苦笑いを浮かべて終わる。

「ごめんね、この人最近若い子と会話してないから寂しいのよ」

「余計なお世話だ」

「これを機にギャンブルとキャバクラやめようね」

「それは無理だよ。俺の生きがいだからな」

「もっと違うものを生きがいにした方がいいと思うけど」

「ことちゃんも生きがいだぞ?」

「『も』って何よ」

「ことちゃんもギャンブルと同じくらい大事ってこと」

「はいはい。とりあえずドリンク頼んでくれる?」

「俺はことちゃんが働く前から来てる超常連だぞ?」

「ちょっと理由になってないけど」

思わず頬が緩んでしまっていた。
この二人の軽快な会話の応酬は抜群で、まるで夫婦漫才を見ているかのよう。
僕にもこうやって軽口を言い合えるほど心を拓けるような相手がいつか現れるだろうか?
いや、いないだろうな。
僕は誰かに心を拓くということに抵抗がある。拓けばきっと過去を知られてしまう。そうなればまた距離を置かれ、虚無感に包まれる。
少しずつ積み上げてきたものが一瞬にして崩れていってしまう。それがこわいんだ。
残りわずかに減ったジンジャーエールをストローで一気に吸い込むと、グラスの中で空気が振動し、ズズズっという音が響いた。
炭酸の抜けたジンジャーエールを飲み干すのはちょっときついかもしれない。
続きを読んでいると正面から視線を感じた。
琴星さんだった。
目が合うと、その澄んだ瞳に惹き込まれた。

「あなた、その本好きなの?」

「えっ?あ、はい」

直後、柔らかく微笑んだ。
少し照れたようにも見えたのは気のせいだろうか。

「そう、嬉しいわ」

どうしてこの人が喜んでいるのだろう。この人も百目鬼 瞠のファンなのだろうか?
気にはなったがそこから話を広げる力は僕にはない。それに、もし違ったらその後の気まずさが計り知れないから。
こういうとき予測できない先の会話に躊躇(ちゅうちょ)して悩む自分が面倒だなとつくづく思う。
勇気を振り絞って出して訊いてみようか迷っていると、琴星さんが口を開いた。さきほどまでの穏やかな表情ではなく真剣な表情で。

「ねぇ、ちょっとここに触れてみて」

突然右手を差し出す琴星さんに何をしようとしているのかさっぱりわからなかったが、あまりに真剣なその表情に言われるがまま右手を差し出すと互いの手が重なりあう。この人の手のひらは小さく細い指で、その指先が軽く触れると一瞬どきっとした。
目を瞑(つむ)り眉間に皺を寄せている琴星さんは綺麗だった。
一瞬電流が走り抜けた気がした。精魂を吸い取られたのかと思ったがとくに何も起きなかった。
しばらくすると、ゆっくりと目を開けた。

「きみ、とても繊細(せんさい)な人ね。そこまで深く捉えなくていいのに考えこんでしまって行動に制限がかかったり、人の痛みまで背負ってしまうから他人より傷つきやすい。本当はもっと楽観的で行動派になりたいけど、どうしていいかわからない。誰かに頼られ頼りたい。信じたいし信じてもらいたい。でも傷つけたり傷つくのがこわくてうまくいかなくてずっともやもやしている。人生というものを深く考えるあまり何のために生きているのかわからなくなり、その答えをずっと模索している」

この短時間で心を読み取られた。しかも奥底に閉まっていたところを。この人は占い師?もしかしてサイコメトラー?

「もともと誠実で純粋だから気苦労も絶えない。自分と関係ない事柄でも気持ちがいってしまうから感情のコントロールが難しい。でもね、辛い過去を背負った人こそ乗り越えたとき強くなれるから。すなわちそれは優しくもなれるから。あなたは気持ちを内に秘めてしまいがちだからそれを少しでも表に出せるようになるともっと自分を守れるようになるわ。そうすればあなたの魅力はもっと多くの人に伝わるから」

そんなうまくできたら苦労しない。
もともと陰キャで友達も少ないタイプなのにあの事件で超陰キャになった。夢も目標もない人間に何を目標に生きていったらいいんだ。

「ことちゃんは苦しみを抱えながら生きる若い子見ると放っておけないんだよ」

まだ出会ってからそんな経っていないのにそんなことがわかるのか?

「こんなコメディー小説を読んでいるはずなのにとても苦しそうだったから気になってね」

苦しそう?僕が?
たしかにあの日以降、何かに夢中になることなんてなかったし、何のために生きているのかわからなかった。
この人は一体何者なのだろう。
琴星さんが一つ一つ言葉を選ぶように続ける。

「辛い経験はいつか必ずあなたの力になる。いまはつき纏(まと)ってくる厄介(やっかい)なものでも確実にあなたを強くする。だから人に優しくすることを忘れないで」

なぜだかこの人の言葉に濁りを感じなかった。
透明で鮮明に映る文字の一つ一つが心の奥深くに入っていくのが見えた気がした。
なんだか昔母さんに言われた言葉と重なる部分があった。
ー会計を済ませ、外に出ようと扉を開けると、ここまで導いてくれたあの銀色の瞳をした白い猫が目の前に立っていた。
どこからやってきたのかを訊くよりも前に、にぁあと鳴いた直後、瞳が光を放ったと同時に身体を包むほどの大きな霧が現れた。
行く手を阻(はば)むように視界を遮(さえぎ)る濃い霧はどこかへ誘うゲートのようで、大きなそれがすぐさま全身を包み込むと一瞬にして辺りの光景が変わった。

「……ここは一体」

目の前に広がっていたのは薄暗いバーカウンター。
決して広いとは言えないその部屋には窓も扉もなく、カウンターの奥にはスタッフ用の扉が見えるだけ。
静寂の室内できらめくオレンジの光がたった一人の来客を出迎える。
あれ?さっきまでまほろばにいたはずだよな?
あの白い猫は?気になることが多すぎて整理がつかない。
程なくして黒いハットに黒いサングラス、黒のタキシード姿の男性がカウンター越しに現れた。

「朝比奈 樟大様、ようこそお越しくださいました。わたくし、あなたの未来に介入するアヴニール請負人(うけおいにん)の叶(かのう)と申します」

ハットを抑えながら慇懃(いんぎん)にお礼をしたその人はこのあやしい空間にそぐわないくらいとても恭(うやうや)しく、紳士という言葉がピッタリだった。

「わたくしは対象者様の未来の一部に介入し、その願いを一つだけ叶えるものです」

はい?

「あなたは長い時期、ある事件に苦しめられていますね?数年前、実の父親が起こした事件によって地元を離れることになり、その後母親も他界、姉と二人で暮らすもそのカルマから逃れられず、誰にも心を開けない状態ですね?」

どうしてそれを知っているんだ?
この街であの事件のことを知っている人は僕と姉さんだけのはず。

「もしよろしければその苦しみから解放させてあげましょう」

なんなんだよ急に。
いろいろと聞きたいことがあるのに勝手に話を進めないでくれ。
ここはどこで、その請負人ってのはなんなんだ?

「いろいろとお伺いしたいことがあるようですので、先にお答えいたしましょう」

僕の心の中を読んでいたかのように平易(へいい)に説明してくれた。
ここは喫茶まほろばの別室で、この人は僕の未来の一部に介入することで未来を変えてくれる人らしい。って言われてもいきなり信じることなんてできない。
人の心に入るってこと?
脳の記憶をいじるってこと?
ブラックジャックのような人が現れて身体をいじられたらどうしよう。

「戸惑うのも無理はありません。はじめはどの対象者様も同じような反応をされます。しかし、ここは選ばれた方しか訪れることのできない場所です。条件はございますが、生きている間に願い事は必ず叶えます」

そんなことを言われたって信じられるものがない。

「それを証明できるものは?」

「ございません。信じるか信じないかはあなた次第です」

どうしてだろう。
この人は本当に願いを叶えてくれる。いまの僕にはそう思えてならなかった。

「あなたには解放されたい思いや叶えたいものがありますよね?」

解放されたい思い。そんなの決まっている。
あの事件のこと。
あれさえなければ母さんはいまも生きていたし、僕も姉さんもこんなに苦しまなくていいのだから。

「死者を蘇らせることはできますか?」

「残念ながらそれはできかねます。わたくしはアヴニール請負人。あくまで朝比奈様ご自身の未来に介入することですので」

母さんともう一度会いたい。もしかしたらそれが一番の願いなのかもしれない。でも死者が蘇るなんていうゲームのようなことは起きない。

「じゃあ一部の過去を忘れることは?」

あの日の記憶さえ消してしまえば心が解放される。
もっと違う景色が見られる気がすると思った。

「起きた事象を塗り替えることはできかねますが、一時的に記憶を薄めることはできます」

それじゃあダメだ。あの出来事は記憶から完全に消さないと意味がない。そうじゃないとこの先ずっとあの日の残像と戦わないといけないから。

「人生は一度きりです。どの選択をしても時は戻りません。悔いのないご選択を」

時が戻せたらどれだけ良いだろう。
父さんがあんな事件を起こさなければ僕らはごくごく普通の家族だった。母さんが死ぬことだってなかった。
すべて父さんのせいだ。
父さんとの記憶なんてなくなっちゃえばいいんだ。

「本当に願いが叶うんですね?」

「はい」

何を願う?
たった一つだけと言われると迷ってしまう。
普段潜めていた欲望が姿を現しそうでこわくなった。

「あなたの心からの願いをお聞かせください」

本音を言えば過去に戻ってあの事件が起きないようにしてほしいし、なんなら親を取り替えてほしい。でも過去を変えることはできない。
こんなことを考えなくて良いように記憶から消してもらう?いや、それをしても他の人からは消えないから意味がない。
じゃあどうする?
願わない選択肢もあるが、なぜかこの人なら願いを叶えてくれるそんな気がした。かといっていきなり言われても何を願えばいいのかわからない。
無音の時間だけがすぎていく。
ハッキリしろよ朝比奈 樟大。
こういうときにうじうじして優柔不断になって、いつもそうじゃないか。思ったことの半分の口にできず、もやもやとイライラばかり募らせる。あのときこうすればよかった。こうしていたら違う世界が見えたのに。
そうやって過去ばかりに目を向けて未来から目を背けてきた。
本当は友達だってほしいし、心をせる相手がほしい。
すべてあの事件のせいにして、過去に囚われていただけ。
『いい加減前を向け』自分の心に檄(げき)を飛ばす。
僕は、強くなりたい。素直になりたい。自分という存在が生まれ変わるきっかけがほしい。
僕が本当に願うもの。それは……。

「本当の自分を曝(さら)け出せる人がほしいです」

「それは恋人ということでしょうか?それとも親友でしょうか?」

どっちもいたら理想だろう。
こういうとき人は優柔不断で欲張りになる。
でも願いは一つだけ。

「親友のような恋人がほしいです」

勇気を出して言ったのに何も答えない。
願いを聞かせろって言ったくせに無視するってなんなんだよ。
無理な願い事ならハッキリとそう言ってくれ。
どうせこの人も僕のことを見下して嘲笑(あざわら)っているんだ。

「朝比奈様はコーヒーがお好きですか?」

「いえ、すみません」

母さんはコーヒーが好きだった。
姉さんのコーヒーを飲む姿は母さんに似ていて、それを見るたびたまに思い出すんだ。

「では違うものをご用意いたしましょう」

そう言ってグラスに氷を入れると、トクトクとドリンクを注ぐ。
そして、目の前にそっと置いたハーブティー。
カモミールの香りが心を落ち着かせた。

「最終確認です。あなたの願いは『過去の闇を忘れるほど心を許した親友のような恋人がほしい』ですね?」

「……はい」

噛み締めるように強く頷くと、叶は「承知いたしました」と言って数枚の紙を見せてきた。

「こちらをご一読いただき、差し支えなければサインをお願いいたします」

そこには未来(アヴニール)契約書と書かれていたが、甲だの乙だの活字の羅列(られつ)に目が乾く。
アヴニールとは未来や将来のことを指すみたいで、対象者の未来の一部に介入することで願いを叶えてくれるものだという。
ただし、願いの叶うタイミングはランダム。
翌日の場合もあるし、一年後や十年後も場合もある。
そこには禁止事項として、『契約内容の変更及び解除は不可』、『金銭がからむことは不可』『死者の蘇生や過去に介入することは不可』などの記載があった。さらに、『アヴニールを受けた代償として、過去の記憶の一部が消滅する可能性がある』という注意書きもあった。

「なお、アヴニールに身体的痛みは一切ございません」

叶がそう一言添えてきた。
ただし、消滅する記憶はランダムで、それは叶自身にもわからないという。
本当にこんなので願いが叶うのだろうか?
半信半疑の状態なのになぜだか手が動いていた。
きっとどこかで期待していたんだと思う。
契約することで自分が変われるんじゃないかって。

「たしかに拝受(はいじゅ)いたしました。ご契約ありがとうございます。それではこれよりあなたの未来に介入いたします」

叶はハットを取り、サングラスを外すとの銀色の瞳が僕の目を奪う。
淀みのない輝きを放つその瞳に惹き込まれていくのがわかった。
こんなので本当に願いが叶うのだろうか?
急にこわくなって「やっぱりやめます」と言おうと思った途端、意識が飛んだ。