タイトル未記入



 人生に終わりがあるなら、今いる地点からの続きが見たくなってもおかしくはないだろうか。

いまある人生の続きは、どんなものでも自分の人生に偽りはない。

いつだってその時の最善策で、自分の人生に置いてその選択が間違ってたなんて思わせないような、人生でありたい。


『終われない、まだ』


 好きな人がいたとしよう。

好きな人残して死ねる?
私なら死ねない。
たとえ振り向いてもらえてなかったとしても、好きな人と一緒にいる未来を捨てきれないから、死にたくない。

いつだってその時の最善策。

振り向いてもらうための。
私が生きていくための。
何もかもその時はその時専用の最善を、私は選ぶ。

第一章 【いつでも聞いてやる】


高校の文化祭の打ち上げ、早くきり上げてきちゃった。
なんか言われんのかな。
悪く言われてたらどうしようとか余計なこと考えて、次学校行くときなんて言い訳しようとか、たくさん考えてたら呼吸上手くできなくて。
「はぁ、はぁ、はぁ、…また、とま…ない…!」

過呼吸、いつもなるんだ。
息しづらくなって、頭が真っ白になる。

駅のエスカレーターを上がったとこでパニックになった。

エスカレーター上がってすぐ横のとこで壁にもたれて座り込んだ。

「大丈夫ですか?」

大学生らしき?男の人が話しかけてきた。

今はそんなこと考える余裕がない。

「…はぁっ、…はぁ…」

「落ち着いて、無理に止めなくていい、1人じゃない、大丈夫」

男の人は、横にいて収まるのを待っていた。

ネットで過呼吸止め方で調べたり。

「息を吸う4秒・吐く6秒のゆっくりした呼吸、吐く時間を長くするんだって、吸って、ゆっくり吐いて」

…………「あの、ありがとうございました!」

「これ、呑んでないしくち開けてないから、よかったらもらって」

もっていたペットボトルの水を渡された優しさに思わず心が温かくなる。

「あの、連絡先…………聞いてもいいですか、お礼がしたくて」

「ごめんね、僕まだ学生なんだ、それに、そんな大したことしてないし。だからいいよそんなの」

「わたしも学生です」

「どこの?」

「すぐそこの桐ケ谷学園(きりがやがくえん)です」

「…………なんだぁ、同じ学校か。髪長くて顔立ち綺麗でてっきり大人の女性かと思った」

そう言って帰るそぶりを見せてたはずがまたしゃがみこんだ。

「そんな……老けてますか、わたし」

「そういうつもりは一切なくて、清楚で服装も大人っぽいから綺麗だよ、言い方悪かったね、ごめんね。
ところで、何年?」

「いくつに見えますか?」

「辞めろよその質問、俺がまた困るだろ」

「二年ですよ」

「一つ下か」

「わたしなんかに時間使ってくれる人いるんだって関心中です」

「あまり友達がいないのか」

「いえ、いますよ」

「は、はぁ?」

「人付き合いって難しいんですよ」

「名前は」

「え?」

そういわれるとともに差し出されたのはラインQRコード。

「話いつでも聞いてやるから連絡してこい、青葉祐希(あおばゆうき)、三年」

小川澪(おがわみお)、二年です」

二章【青葉先輩って……】

青葉先輩になんてお礼しようってずっと考えてた。
手作りのお菓子とかどうかななんて、頭の中青葉先輩のことばっかりで。
よし、好きなもの聞こう。

そう思って、お昼を誘った。

『青葉先輩、学校でご飯一緒に食べましょうよ』

ラインでご飯に誘う。

ー―ピコン。

『いいけど、どこで?』


『屋上前の踊り場とかどうです?』

ー―ピコン。

『今から向かう』

————————
やば、誘ってから時間結構経ってる。
すぐ、一番に謝ろう。
かい、だんをっ、……のぼって……。

「っすぅーーーごめんなさいっっ。遅れて!
友達が今日は一緒に食べないのって言われて……」

目を疑った。

まって、おん、な、のこ、?


「……人違いでしたすみません!」
一つ下の踊り場まで下がって、しゃがみ込む。

スカートをはいた女性が目の前にいて驚きが隠せない。
きっと人間違いだったって、助けてくれた男性は、私の恋の始まりは?

「間違いじゃないよ」

「青葉先輩って……女の子だったんですか……」

しゃがみこんだまま、横に体を傾ける。

「ほんとに青葉先輩?私の明るい未来は?」

「何言ってんのかわかんないけど、ご飯食べるんだろ、弁当」

「……はい」

返事をしながら立ち上がる。




ーーーーーー

「青葉先輩!友達ってどこからが友達でどこまでが友達ですか」

「何、なんか悩んでんの」

お弁当を食べながら他愛もない会話をする。

「友達の恋愛話とかよくわかんなくて。私も恋とか始まるはずだったのにな」

「その人のことが頭から離れなくなったりしたらもう好きなんじゃないのか?」

たすけてもらった相手と言うのは初めから好印象なんだよね。

「…⋯じゃあ、私先輩のこと好きかも知んないです」

「もう少し考えなさい、バカ」

コツンと当てられたグーの手。

好きな人のことをどこが好きなのかと聞かれて、いくつもの答えがすぐ出るのだろうか。


「みんな好きな理由なんて考えてるんですか??」

「……考えてないかもな」



人生に難易度があるなら私はイージーでもクリアできないんじゃないかなんて思ってる。
実際に難易度が目に見えてわかるわけじゃないけど、他人から見てイージーなのに自分にとっては高難易度だったり?

恋愛を軸にするから高難易度だったり。


「ていうか、面白いですねっ」

「なにがだよ」

「なにがっってほら、青葉先輩は、私のこと大人だって勘違いして。私は、青葉先輩のこと男の人だって勘違いして、お互い勘違いしたりなんかして」

「お前は、もっと周りを警戒しろ」

「あ、お前って言わないでください、扱いの雑さに傷つきます。な、ま、え、あるんで!」

「澪」

「下の名前?!ふぇ」

「名前って言ったじゃないか」

「私も下の名前で呼びたいです」

「ご自由に」

「祐希先輩、いや……祐希ちゃん、祐希ちゃんは、恋愛の定義ってなんだと思います?一目惚れって信じます?」

「信じはするよ」

「あいてが同性だったら???」

「好きに性別は関係ないかな」

「……」

「どした」

「祐希先輩はかっこいいですね」