初恋ラプソディ

「あ、若葉だ」

 嫌な予感。

 ものすごく。

「もしもし?」

『梨歩? 律くん、大丈夫!?』

 若葉さんの声が、スピーカー越しに聞こえる。

「うん。病院行ってきたよ。大きな怪我じゃなかった」

『よかったぁ……ほんとにごめんね』

「若葉が謝ることじゃないよ」

『でも律くん、瑠花のために殴られたんでしょ?』

「そうみたい」

『ほんとに律くん、かっこよかったって瑠花が――』

 ボクは嫌な予感しかしない。

「ママ」

「何?」

「電話切ったら」

「なんで?」

「別に」

『あ、それとね』

 終わった。

 たぶん終わった。

『瑠花が律くんの頬にキスしたら、律くん急に鼻血出したらしくて』

「…………」

「…………」

「…………」