教室へ帰ると、知ちゃんが零れ落ちそうに目を見開いて、僕たちを見た。
憮然とした表情で席に座る増子くんと、なんだか頬が緩んでしまう僕を何度も交互に見て、ついに我慢できなくなったらしく、僕の腕を掴んで椅子から立ち上がる。
「聖ちゃん! ちょっと!」
授業開始直前なのに、僕を引っ張って教室を出ていく。
それを、なんだか懐かしいなと思いながらついていったけれど、以前とは少し違うところがある。
大慌ての知ちゃんを見てはいないのに、反対方向を見て机に突っ伏した増子くんの肩が、かすかに揺れている。
(あ、笑ってる)
他の誰にもわからないだろうけれど、僕にはそれがわかる。
いつも屋上で、僕が少し変なことを言った時、そうして静かに笑っている姿を知っているから。
「なに笑ってるの」と肩を叩きたいけれど、知ちゃんに引きずられるようにして教室の外へ連れて行かれる途中だから、出来ない。
それを残念に思って、いつの間にか僕の頭の中は、増子くんのことばっかりなんだなと改めて気がついた。
憮然とした表情で席に座る増子くんと、なんだか頬が緩んでしまう僕を何度も交互に見て、ついに我慢できなくなったらしく、僕の腕を掴んで椅子から立ち上がる。
「聖ちゃん! ちょっと!」
授業開始直前なのに、僕を引っ張って教室を出ていく。
それを、なんだか懐かしいなと思いながらついていったけれど、以前とは少し違うところがある。
大慌ての知ちゃんを見てはいないのに、反対方向を見て机に突っ伏した増子くんの肩が、かすかに揺れている。
(あ、笑ってる)
他の誰にもわからないだろうけれど、僕にはそれがわかる。
いつも屋上で、僕が少し変なことを言った時、そうして静かに笑っている姿を知っているから。
「なに笑ってるの」と肩を叩きたいけれど、知ちゃんに引きずられるようにして教室の外へ連れて行かれる途中だから、出来ない。
それを残念に思って、いつの間にか僕の頭の中は、増子くんのことばっかりなんだなと改めて気がついた。



