その頃、仲間との合流へと向かっていたセリスは、周囲を警戒しながら走っていた。
(ルアンは、あぁ言ってたけど、他にも敵の仲間が居ないとも限らないし、気をつけないと。)
と、そこへどこからか鉄が飛んでくる。
セリスは、それを難なく躱し、飛んできた方向に視線を向ける。
「そこにいるのは誰!」
「躱したか。流石、聖天魔法の使い手と言うべきか。」
「なぜ、それを……!」
「あぁ、知っているさ」
すると、ボロボロの外套を羽織り、フードを深く被ったが姿を現した。その男は、何故かセリスの事も、聖天魔法の事も知っていると言う。
セリスは困惑しするも、警戒しながら、掌に魔力を込めて、男に向けながら問い詰める。
「あなたは何者なの。なぜ私や聖天魔法の事を知っているの!」
「答える必要はない」
男はそういうと、セリスに向かって魔法を使って出した大きな鉄の塊を振り回し攻撃する。
セリスは、それを光の盾魔法で防ぐと反撃するために、光魔法を発動させ、光弾を連続で繰り出し、相手に喰らわす。
が、男は、それをいとも容易く避ける。
「(強い…。それもそうか、ここまで侵入してきた人だもんね。どうする、今の魔法で勝てるだろうか)」
セリスが思案していると、灰色の髪の男が、複数のも弾丸状の鉄を彼女に放った。
彼女は何とか光魔法で、鉄を相殺しようとしたが、相殺しきれなかった弾丸状の鉄が脇腹を掠めた。セリスが脇腹を抑えると、ジワリと滲みんでいた。
「っ」
痛みに顔を歪めながらも、セリスは打開策を思案する。
(聖天魔法を使うしかないのかな。でも、まだあの魔法はちゃんと使った事ないけど。)
「どうした?限界か?」
「ハァ…こうなったら一か八か!」
そして、覚悟決めて、己の魔力を高めると使う聖天魔法の攻撃発動させた。
すると、見たこともない魔方陣が現れ、セリスの周囲を燐光が舞う。
「これが、聖天魔法……!」
セリスは、想像以上の驚異的な力に感心しながらも、男に一撃喰らわせようと光の粒子を纏いながら構える。
「ハァァァァ!」
黄金に輝く神聖なる光を一点集中させ放った。
セリスの一撃が男に直撃し、男は大ダメージを受け気を失った。
「やった……勝てた…」
「セリス!無事か!」
「うん。なんとかね」
セリスが灰色の髪の男を戦闘不能にした所に、追ってきたルアンが到着した。
彼はセリスの身体を確認するように見る。
脇腹から血が出ているのに気がつくと、眉をひそめた。
「脇腹、ソイツにやられたのか」
ルアンの声が不機嫌そうに低くなる。
「あー、ちょっとね。攻撃が脇腹掠めたみたいで。でも、深くないから大丈夫だよ。」
「そうか……。聖天魔法の治癒は自分には使えないのか?」
「多分無理だと思う。普通の治癒魔法だって、自分自身にはできないし。」
「それもそうか」
「それより早く、みんなの所に行こう!」
「あぁ」
本当なら怪我してるセリスを、これ以上戦わせたくないルアン。
だが、そうも言ってられない現状に、不承不承に頷くと、セリスと一緒に走り出した。
そして、二人が他の仲間達がいるであろう 城外に到着すると、そこには既に他の魔法師達や騎士達が大量の魔物が戦っていた。その数はおよそ数百匹。二人は、その魔物の数に驚愕し目を見開く。
「何だ、この数の魔物は!」
「敵に召喚師でもいるの?それにしたって、こんな数は有り得ないでしょ。」
「四の五の言ってられないか。加勢に行くぞ、セリス」
「うん!」
セリスとルアンは、駆け出し喧騒の中に入りガレン達と合流する。
「やっと来たか!遅いぞ!二人共!」
「ごめんね!」
「悪い。遅くなった。ここに来る前に城の中で侵入者と遭遇してな。」
「そういう事なら、仕方ねぇな。」
火炎魔法で魔物を焼き払いながら、ガレンがルアンとセリスを叱責する。
ルアンが、遅れた理由を簡潔に話すと、ガレンは納得したのか、あっさりと赦した。
「で、この魔物はなんなんだ。」
「いや、それが敵さんに召喚する奴がいるらしくて。さっきからキリがねぇよ。」
「なるほどな。恐らくこの魔物で引き付けといて、城へ侵入したのか。」
「多分な。それにしたって多すぎるだろ!この数は!」
魔物を撃退しながら、ルアンがガレンに問うと悪態をつきながらガレンは答えた。
その近くでは、グレースが植物魔法で退治し、セリスに話しかけている。
セリスも光魔法で魔物を消滅させながら答える。
「セリス!怪我してるの!?」
「ちょっとね。さっき侵入者と戦ってたから。でもこのくらいなら、まだ動けるし大丈夫だよ」
「無茶はしないでよ!」
四人は戦い続けるが、魔物の数が減る様子はない。彼らの魔力は段々と削られていく一方だ。一向に変わらない状況にガレンが、またも悪態をつく。
「チッ…。クソ!無尽蔵かよ!」
別の場所では、レイソンやクラーク、ルクレールが各自の魔法を駆使し魔物と戦っている。が、そちらもどうやら苦戦しているようだ。
(このままじゃマズイな……)
ルアンが疲れ始めてる全員を見ながら、思案していると、城の方から強い魔力を感じとった。
それは体をビリビリと震わせるほどの、禍々しい気を放っている。四人を含めた魔法士や騎士達全員が震撼した。
「何…この魔力は…。」
「こちとら、そろそろ限界だってのに……」
グレースとガレンが呆然と呟いた。
他の魔法士や騎士達も、同意するかのように顔を青ざめさせて絶望的な顔をしている。
そんな中、セリスだけは一人立ち向かう決意をする。
(この魔力はきっと闇魔法。勝てるとしたら私…。聖天魔法しかない。それに狙いが私なら…行くしかない。)
セリスが覚悟を決めて、走り出そうとした。
その時、魔力を感じる方向に向かうとするセリスの腕を掴み、ルアンが止める。
「待て!セリス!」
「何?」
「何じゃない。お前、一人で行く気か!」
「だって!私しか勝てないよ、きっと!だから、私が行かなきゃ」
「俺も連れて行け」
「それは、出来ないかな。大丈夫だよ。私一人で。だからルアンは残って」
彼女はルアンを安心させるように微笑んで言う。
しかし、それはルアンには逆効果だったようで、彼は顰めっ面をする。
「断る。怪我だってしてるし、魔力だって相当消費してるだろ。そんな状態の、お前だけ行かせられるか」
真剣みを帯びた眼差しで、一歩も引かないルアンに、セリスは思わず困ったように笑う。
「そんな顔で言われたら断れないじゃん。」
「だったら断らないで、素直に連れていけば良いだろ。」
「じゃあルアン、一緒にお願い。ここは、任せたよガレン、グレース」
セリスは考えてる暇はないかと思い、ルアンの同行を許した。居てくれると心強いのは確かなのだ。
二人は、その場をガレンとグレースに託して、闇の魔力を感じる方へと駆け出した。
「フフフ、さぁ来い。聖天魔法の使い手」
その頃、城の敷地を見渡せる高台から、高みの見物をしていた、謎のフードの男は怪しい笑みを浮かべていた。
(ルアンは、あぁ言ってたけど、他にも敵の仲間が居ないとも限らないし、気をつけないと。)
と、そこへどこからか鉄が飛んでくる。
セリスは、それを難なく躱し、飛んできた方向に視線を向ける。
「そこにいるのは誰!」
「躱したか。流石、聖天魔法の使い手と言うべきか。」
「なぜ、それを……!」
「あぁ、知っているさ」
すると、ボロボロの外套を羽織り、フードを深く被ったが姿を現した。その男は、何故かセリスの事も、聖天魔法の事も知っていると言う。
セリスは困惑しするも、警戒しながら、掌に魔力を込めて、男に向けながら問い詰める。
「あなたは何者なの。なぜ私や聖天魔法の事を知っているの!」
「答える必要はない」
男はそういうと、セリスに向かって魔法を使って出した大きな鉄の塊を振り回し攻撃する。
セリスは、それを光の盾魔法で防ぐと反撃するために、光魔法を発動させ、光弾を連続で繰り出し、相手に喰らわす。
が、男は、それをいとも容易く避ける。
「(強い…。それもそうか、ここまで侵入してきた人だもんね。どうする、今の魔法で勝てるだろうか)」
セリスが思案していると、灰色の髪の男が、複数のも弾丸状の鉄を彼女に放った。
彼女は何とか光魔法で、鉄を相殺しようとしたが、相殺しきれなかった弾丸状の鉄が脇腹を掠めた。セリスが脇腹を抑えると、ジワリと滲みんでいた。
「っ」
痛みに顔を歪めながらも、セリスは打開策を思案する。
(聖天魔法を使うしかないのかな。でも、まだあの魔法はちゃんと使った事ないけど。)
「どうした?限界か?」
「ハァ…こうなったら一か八か!」
そして、覚悟決めて、己の魔力を高めると使う聖天魔法の攻撃発動させた。
すると、見たこともない魔方陣が現れ、セリスの周囲を燐光が舞う。
「これが、聖天魔法……!」
セリスは、想像以上の驚異的な力に感心しながらも、男に一撃喰らわせようと光の粒子を纏いながら構える。
「ハァァァァ!」
黄金に輝く神聖なる光を一点集中させ放った。
セリスの一撃が男に直撃し、男は大ダメージを受け気を失った。
「やった……勝てた…」
「セリス!無事か!」
「うん。なんとかね」
セリスが灰色の髪の男を戦闘不能にした所に、追ってきたルアンが到着した。
彼はセリスの身体を確認するように見る。
脇腹から血が出ているのに気がつくと、眉をひそめた。
「脇腹、ソイツにやられたのか」
ルアンの声が不機嫌そうに低くなる。
「あー、ちょっとね。攻撃が脇腹掠めたみたいで。でも、深くないから大丈夫だよ。」
「そうか……。聖天魔法の治癒は自分には使えないのか?」
「多分無理だと思う。普通の治癒魔法だって、自分自身にはできないし。」
「それもそうか」
「それより早く、みんなの所に行こう!」
「あぁ」
本当なら怪我してるセリスを、これ以上戦わせたくないルアン。
だが、そうも言ってられない現状に、不承不承に頷くと、セリスと一緒に走り出した。
そして、二人が他の仲間達がいるであろう 城外に到着すると、そこには既に他の魔法師達や騎士達が大量の魔物が戦っていた。その数はおよそ数百匹。二人は、その魔物の数に驚愕し目を見開く。
「何だ、この数の魔物は!」
「敵に召喚師でもいるの?それにしたって、こんな数は有り得ないでしょ。」
「四の五の言ってられないか。加勢に行くぞ、セリス」
「うん!」
セリスとルアンは、駆け出し喧騒の中に入りガレン達と合流する。
「やっと来たか!遅いぞ!二人共!」
「ごめんね!」
「悪い。遅くなった。ここに来る前に城の中で侵入者と遭遇してな。」
「そういう事なら、仕方ねぇな。」
火炎魔法で魔物を焼き払いながら、ガレンがルアンとセリスを叱責する。
ルアンが、遅れた理由を簡潔に話すと、ガレンは納得したのか、あっさりと赦した。
「で、この魔物はなんなんだ。」
「いや、それが敵さんに召喚する奴がいるらしくて。さっきからキリがねぇよ。」
「なるほどな。恐らくこの魔物で引き付けといて、城へ侵入したのか。」
「多分な。それにしたって多すぎるだろ!この数は!」
魔物を撃退しながら、ルアンがガレンに問うと悪態をつきながらガレンは答えた。
その近くでは、グレースが植物魔法で退治し、セリスに話しかけている。
セリスも光魔法で魔物を消滅させながら答える。
「セリス!怪我してるの!?」
「ちょっとね。さっき侵入者と戦ってたから。でもこのくらいなら、まだ動けるし大丈夫だよ」
「無茶はしないでよ!」
四人は戦い続けるが、魔物の数が減る様子はない。彼らの魔力は段々と削られていく一方だ。一向に変わらない状況にガレンが、またも悪態をつく。
「チッ…。クソ!無尽蔵かよ!」
別の場所では、レイソンやクラーク、ルクレールが各自の魔法を駆使し魔物と戦っている。が、そちらもどうやら苦戦しているようだ。
(このままじゃマズイな……)
ルアンが疲れ始めてる全員を見ながら、思案していると、城の方から強い魔力を感じとった。
それは体をビリビリと震わせるほどの、禍々しい気を放っている。四人を含めた魔法士や騎士達全員が震撼した。
「何…この魔力は…。」
「こちとら、そろそろ限界だってのに……」
グレースとガレンが呆然と呟いた。
他の魔法士や騎士達も、同意するかのように顔を青ざめさせて絶望的な顔をしている。
そんな中、セリスだけは一人立ち向かう決意をする。
(この魔力はきっと闇魔法。勝てるとしたら私…。聖天魔法しかない。それに狙いが私なら…行くしかない。)
セリスが覚悟を決めて、走り出そうとした。
その時、魔力を感じる方向に向かうとするセリスの腕を掴み、ルアンが止める。
「待て!セリス!」
「何?」
「何じゃない。お前、一人で行く気か!」
「だって!私しか勝てないよ、きっと!だから、私が行かなきゃ」
「俺も連れて行け」
「それは、出来ないかな。大丈夫だよ。私一人で。だからルアンは残って」
彼女はルアンを安心させるように微笑んで言う。
しかし、それはルアンには逆効果だったようで、彼は顰めっ面をする。
「断る。怪我だってしてるし、魔力だって相当消費してるだろ。そんな状態の、お前だけ行かせられるか」
真剣みを帯びた眼差しで、一歩も引かないルアンに、セリスは思わず困ったように笑う。
「そんな顔で言われたら断れないじゃん。」
「だったら断らないで、素直に連れていけば良いだろ。」
「じゃあルアン、一緒にお願い。ここは、任せたよガレン、グレース」
セリスは考えてる暇はないかと思い、ルアンの同行を許した。居てくれると心強いのは確かなのだ。
二人は、その場をガレンとグレースに託して、闇の魔力を感じる方へと駆け出した。
「フフフ、さぁ来い。聖天魔法の使い手」
その頃、城の敷地を見渡せる高台から、高みの見物をしていた、謎のフードの男は怪しい笑みを浮かべていた。


