しかし、今はそれどころではないと頭を切り替える。攻撃し続けてくるセリスを思案顔で躱しながら、打開策を考える。
セリスの体に傷を付けるわけにはいかない。だから反撃はしない。と言うか、そもそも出来る訳がない。
(どうすれば良い。どうすればセリスに傷一つ付けずに洗脳を解ける?精霊とか言う奴をやれば良いのか?)
ルアンがそんな考えに至り、精霊の方に視線を向ける。それに気がついたのか、精霊は笑みを浮べて言う。
「あ、ちなみに僕を消した所で解けたりはしないよ」
思考を読まれたかのように、思ってる事の返事を言われ、ルアンは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「セリス!目を覚ませ!セリス」
「………」
ルアンは攻撃を避けつつ再び頭を悩ませる。そして、再びセリスに呼びかけるが、やはり返事はない。
それでも彼は、呼びかけ続ける。
祈るような気持ちで。
(どうする!何か方法は…)
彼が思考を巡らせていると、光の矢が右腕を掠めた。
「っ!」
ルアンは、一瞬その痛みに眉を寄せる。
しかし、思考と動きを止めることはない。
考える時間限られている。ゆっくりとは考えていられない。
早くしなければ、彼女の魔力も限界が来てしまう。だから、彼としては、一刻も早く大切な恋人を元に戻したいのだ。ルアンの表情に焦りの色が見え始める。
(これしかないか…)
彼は腹をくくった。
攻撃を避けるのをやめると、そのままセリスの所へと駆け出し、その勢いのまま彼女を抱きしめた。そして口づけをする。
「っ……、セリス戻ってこい!」
次第にセリスの深緑色の目から陰りが消え、元の綺麗な明るい色に戻った。それを見てルアンは、セリスは離した。
「あれ?私一体、何を…」
「戻ったか……。」
「ルアン?ってルアン怪我してる!まさか私が!?」
「かすり傷だ、大したことはない。それに、お前の意思じゃなかったんだから、気にするな。」
「でも!」
自分が彼を傷つけた事には変わりはない。
セリスは自責の念に駆られ、瞳に涙をためて謝る。
「ごめん……私……」
「お前が謝る事じゃない。セリスが無事で良かった。」
「うん…、ありがと」
落ち込んでいるセリスの頭を撫でるルアン。
そんな二人の所へ離れて見ていた精霊が、頃合いを見計らったタイミングで、パチパチと拍手をしながら近づく。
「おめでとう。まずは第一段階の試練はクリアだ。それにしても、熱烈な接吻だったね」
「テメェ…。ふざけんなよ」
「まぁまぁ、ルアン。そんなに怒らないの。」
「お前な、操られたんだぞ!少しは怒れ!」
「うっ…」
精霊に剣呑な双眸を向けるルアン。その目と声色には怒気が含まれている。
そんな彼をセリスが宥めるが、逆に咎められ言葉を詰まらせた。
「そ、それより一つ目ってことは、まだ何かあるの?」
「うん。あと二つあるよ。で、次の試練はね、神聖樹に生っている実を探して取ってきて。」
セリスが気を取り直して尋ねると、精霊はあっさりと答えた。
「神聖樹の実?それは、どんなのなんだ。色と形は?」
「うーん…色は銀色で形は…まんまる?だったかな…?」
「…なんでそんな曖昧なんだよ…」
ルアンは、精霊に質問を投げかけた。
しかし、帰ってきた返事は抽象的な物で、彼は眉を寄せた。
今の説明で探せというのも無理な話である。これにはセリスも困惑顔をするしかなかった。
「なにせ久々だからね、うろ覚えなんだ。」
「はぁ…。まぁ良い。場所は?」
「それを言ったら、試練の意味なくなるから、教えないよ。自力で探して持ってきてね」
精霊は、そう言うとまた戻っていった。
「とりあえず探そう、ルアン」
「あぁ…。そうだな」
セリスが苦笑いを浮べながら言うと、ルアンは同意すると、二人は神聖樹の実を探し始めようとする。
ところが、ここで一つ問題が浮上する。
それは、神聖樹が巨大過ぎると言うことだ。あまりにも大きく登るのすら一苦労しそうな木を見上げて、二人は暫し呆然とする。
「この木をどうやって登れって言うんだ。無理難題にも程があるだろ」
「だからこそ試練なんだろうけど、流石にこれは…」
ルアンは悪態をつき、セリスは困ったような表情で言った。
しかし、やるしかないと二人は登り始めた。まずは先にルアンが登る。彼は風魔法で、自分を押し上げて一番下の枝に乗る。
そして、後から来るセリスを引き上げる。
「ありがと」
「おぅ…。俺は向こう探すから、セリスはあっちを探してくれ」
「ん、分かった」
「気を付けろよ。落ちたら洒落にならないぞ」
ルアンは右側を、セリスが左側を探す。
探し終わると一段上に登る。ここからはルアンは風の魔法を使わずに地道に上がっていく。
そんな事を何度も繰り返し、神聖樹の大分上辺りまで登った頃、ルアンが枝にぶら下がっている光る物を見つけた。
「あったぞ」
「本当!?」
「あぁ…」
彼は、セリスに知らせると手を伸ばし慎重に実をもぎ取った。
そして、その実を持って先に木から降りる。後からセリスが降りて来るのを待ち、彼女が地面に着くと持っていた実を手渡した。
二人は見つけた実を持って、木から降りると、精霊の所へと持っていった。
すると、精霊はそれを受け取り観察をするように見てから満足げに頷くと、次の試練を告げる。
セリスの体に傷を付けるわけにはいかない。だから反撃はしない。と言うか、そもそも出来る訳がない。
(どうすれば良い。どうすればセリスに傷一つ付けずに洗脳を解ける?精霊とか言う奴をやれば良いのか?)
ルアンがそんな考えに至り、精霊の方に視線を向ける。それに気がついたのか、精霊は笑みを浮べて言う。
「あ、ちなみに僕を消した所で解けたりはしないよ」
思考を読まれたかのように、思ってる事の返事を言われ、ルアンは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「セリス!目を覚ませ!セリス」
「………」
ルアンは攻撃を避けつつ再び頭を悩ませる。そして、再びセリスに呼びかけるが、やはり返事はない。
それでも彼は、呼びかけ続ける。
祈るような気持ちで。
(どうする!何か方法は…)
彼が思考を巡らせていると、光の矢が右腕を掠めた。
「っ!」
ルアンは、一瞬その痛みに眉を寄せる。
しかし、思考と動きを止めることはない。
考える時間限られている。ゆっくりとは考えていられない。
早くしなければ、彼女の魔力も限界が来てしまう。だから、彼としては、一刻も早く大切な恋人を元に戻したいのだ。ルアンの表情に焦りの色が見え始める。
(これしかないか…)
彼は腹をくくった。
攻撃を避けるのをやめると、そのままセリスの所へと駆け出し、その勢いのまま彼女を抱きしめた。そして口づけをする。
「っ……、セリス戻ってこい!」
次第にセリスの深緑色の目から陰りが消え、元の綺麗な明るい色に戻った。それを見てルアンは、セリスは離した。
「あれ?私一体、何を…」
「戻ったか……。」
「ルアン?ってルアン怪我してる!まさか私が!?」
「かすり傷だ、大したことはない。それに、お前の意思じゃなかったんだから、気にするな。」
「でも!」
自分が彼を傷つけた事には変わりはない。
セリスは自責の念に駆られ、瞳に涙をためて謝る。
「ごめん……私……」
「お前が謝る事じゃない。セリスが無事で良かった。」
「うん…、ありがと」
落ち込んでいるセリスの頭を撫でるルアン。
そんな二人の所へ離れて見ていた精霊が、頃合いを見計らったタイミングで、パチパチと拍手をしながら近づく。
「おめでとう。まずは第一段階の試練はクリアだ。それにしても、熱烈な接吻だったね」
「テメェ…。ふざけんなよ」
「まぁまぁ、ルアン。そんなに怒らないの。」
「お前な、操られたんだぞ!少しは怒れ!」
「うっ…」
精霊に剣呑な双眸を向けるルアン。その目と声色には怒気が含まれている。
そんな彼をセリスが宥めるが、逆に咎められ言葉を詰まらせた。
「そ、それより一つ目ってことは、まだ何かあるの?」
「うん。あと二つあるよ。で、次の試練はね、神聖樹に生っている実を探して取ってきて。」
セリスが気を取り直して尋ねると、精霊はあっさりと答えた。
「神聖樹の実?それは、どんなのなんだ。色と形は?」
「うーん…色は銀色で形は…まんまる?だったかな…?」
「…なんでそんな曖昧なんだよ…」
ルアンは、精霊に質問を投げかけた。
しかし、帰ってきた返事は抽象的な物で、彼は眉を寄せた。
今の説明で探せというのも無理な話である。これにはセリスも困惑顔をするしかなかった。
「なにせ久々だからね、うろ覚えなんだ。」
「はぁ…。まぁ良い。場所は?」
「それを言ったら、試練の意味なくなるから、教えないよ。自力で探して持ってきてね」
精霊は、そう言うとまた戻っていった。
「とりあえず探そう、ルアン」
「あぁ…。そうだな」
セリスが苦笑いを浮べながら言うと、ルアンは同意すると、二人は神聖樹の実を探し始めようとする。
ところが、ここで一つ問題が浮上する。
それは、神聖樹が巨大過ぎると言うことだ。あまりにも大きく登るのすら一苦労しそうな木を見上げて、二人は暫し呆然とする。
「この木をどうやって登れって言うんだ。無理難題にも程があるだろ」
「だからこそ試練なんだろうけど、流石にこれは…」
ルアンは悪態をつき、セリスは困ったような表情で言った。
しかし、やるしかないと二人は登り始めた。まずは先にルアンが登る。彼は風魔法で、自分を押し上げて一番下の枝に乗る。
そして、後から来るセリスを引き上げる。
「ありがと」
「おぅ…。俺は向こう探すから、セリスはあっちを探してくれ」
「ん、分かった」
「気を付けろよ。落ちたら洒落にならないぞ」
ルアンは右側を、セリスが左側を探す。
探し終わると一段上に登る。ここからはルアンは風の魔法を使わずに地道に上がっていく。
そんな事を何度も繰り返し、神聖樹の大分上辺りまで登った頃、ルアンが枝にぶら下がっている光る物を見つけた。
「あったぞ」
「本当!?」
「あぁ…」
彼は、セリスに知らせると手を伸ばし慎重に実をもぎ取った。
そして、その実を持って先に木から降りる。後からセリスが降りて来るのを待ち、彼女が地面に着くと持っていた実を手渡した。
二人は見つけた実を持って、木から降りると、精霊の所へと持っていった。
すると、精霊はそれを受け取り観察をするように見てから満足げに頷くと、次の試練を告げる。


