穢れた龍神と生贄の花嫁

「俺の名は、翔澪だ」
「翔澪様……」

(素敵な名前……龍神様にピッタリな美しい名前だわ)

 水夜が呟くと翔澪は嬉しそうに微笑み、また水夜を抱きしめた。

「あ、あの……」
「お前に名を呼ばれると嬉しくなる。これからはいつも呼んでもらえるのだな」
「翔澪様が、お望みなら」
「ああ、楽しみだ!」

 翔澪はそう言うと、片手を鳥居の前にかざす。すると、鳥居の中が輝き、そこに空間が現れた。

「あちらから先が、俺の住まう神域だ」

 水夜の手を取り、翔澪は歩き出す。水夜もそれに続き、光輝く空間へ足を踏み入れた。

(眩しい……目が開けられないから瞑ったまま歩いているけれど、どこまで歩くのかしら)

 翔澪に手を引かれながら、水夜は歩き続けた。しばらくして、翔澪が立ち止まる。

「もう目を開けて大丈夫だ。眩しくないだろう?ここが、俺の住処だ」

 翔澪の声がして目をそっと開けると、目の前の光景に水夜は絶句した。