穢れた龍神と生贄の花嫁

「お前の気は本当に心地よいな。ずっとこうしていたいほどだが……」

(えっ……!?)

 突然抱きしめられた水夜は驚くが、龍神はそっと体を離し、水夜の胸元を指でさした。

「その勾玉は気持ちが悪い。捨てていけ」
「えっ、妹の神力が込められていますが……?」
「だからだ。気持ち悪くてかなわない」

(神力が気持ち悪いってどういうことだろう?でも、龍神様が嫌がるなら持っていかない方がいいわよね)

 水夜が懐から勾玉を取り出すと、龍神はそれを取ってぽいっと投げ捨てる。すると、勾玉は地面に落ちる前に粉々になり、跡形もなくなった。

「消えた!?」
「これでいいだろう。ああ、そうだ。お前に俺の名前を教えよう。花嫁になるのだからな」

 そう言って、水夜の顔にかかった髪の毛をそっと耳にかける。