私×0.5+わたし×0.5=◎


付き合い始めたばかりのわたし達は、授業中でも休み時間でも、一日に何十回もメッセージを送りあっていたのにな。

今どうしている?
授業つまんない。
明日会わない?
これから寝るね。おやすみ!

けれど、今のわたしには、それをするのがとても困難なのだ。
せっかく出来たカレシを失ってしまうかもしれない。

メッセージ出来ないだけで大げさな!と思うかもしれないけれど、今の女子高生にとって、すぐに気持ちの交換が出来るツールは、なくてはならない物だった。
SNSのアカウントが死んでいるということは、社会的に死んでいるのと同じ。
特に恋人になりたての二人には、一番、手っ取り早い愛を確かめる手段で、また相手が本当に自分の方を向いているのか確認するのに、最も適した手段だ。

届いた言葉には、いかに早く返信できるかが重要。
愛の言葉は、絵文字や顔文字で飾り立てて。

わたしの目だか頭だかがおかしくなってしまった事を、AIに聞きまくって、わたしは初めて、心療内科と云う所に、足を踏み入れた。
さかもとメンタルクリニック、と云うらしいが、私はどれが、さかもとメンタルクリニックなのか判らなかった為、金沢という漢字を探した。
金沢ビルの三階が、クリニックになっている。