木漏れ日の中の光

「うんうん、私も翔月に聞いてもらったんだから。それくらいさせて。ちゃんとさ、話聞いたことなかったから。話して、翔月」

 詩は強く握り返して、私を抱きしめた。

 私はこくりと強く頷いた。

 言葉には出さなくても、私たちは分かりあいたいと思った。

 今の気持ちを全部、あなたに伝えたい。

 詩と私は今日行くカフェに向かった。

 涙ぐむ私を詩は背中で隠してくれた。

 人で賑わっている町中を少し駆け足で目的地へと急いだ。

 この日は風が強くて、マスク越しでも頬が冷たくあたる。

 マスクを口もとまで下げると、泣き跡が残っていた。

 周りなんて、自分のことなんて見ていない。自分自身が一番怖い。

人になんて言われるのか、どう見られているのか。

 私はまたマスクをし直した。

 駆ける足は変わらずに、心の中で私は私を拒絶した。

「やっと……着いた」

 詩はお店に着くと、はぁとため息を吐いて、立ち止まった。

「相変わらず……混んでるね」

 私は詩にポツリと呟いた。

「うん。でも、今回はちょっとコネがありまして」

 詩はジャケットからカードを取り出して、列をかき分けて、店に入った。

「え? なに」