木漏れ日の中の光

 唯はごねて、なにか言ってくると思ったが、空気を読んだのかすぐその場から離れた。

 離れた瞬間、私は床に座り込んだ。

「翔月!」 

 詩は私が急に座り込んだので驚いて、私の肩を揺らした。

「大丈夫。ありがとう、詩」

 私はゴホンと咳き込んだ。

「大丈夫じゃないじゃん。翔月。あいつでしょ。翔月がマスクをすることになった理由」

 詩に言葉を投げかけた。

「……え?」

 私は目の前にいる詩に目を丸くした。

「分かるよ。見てれば」

 詩は少し目を逸らしてから、口角を緩めた。

「……っ詩は本当に鋭いね」

 私は下を向いてから、詩に顔を向けた。

「……そう?」

 私は「そうだよ」と乾いた笑いで答えた。

 それから、詩は私にゆっくりと手を差し出した。

「……よいしょ……と」

 詩は私の手を引いて立たせて、私を見てにんまりと笑った。

「ありがとう、詩」

 私は感謝を述べて、詩につられて私も微笑み返した。

「翔月。じゃあ、行こう。今日行くカフェ。行くんでしょ? ねぇ?」

 詩はギュッと握った手を離さなかった。

 その優しさに涙が溢れた。

「詩……うぅうぅ」