木漏れ日の中の光

 私の気持ちとは裏腹に唯はグイグイと話しかけてくる。

 唯の上ずった声に、私は頭がクラクラした。

 久々にこっち行ってみたいな。

 ほら、初めて会った日の会場とか行ってみる?

 えー、どうしようかな。

 唯はスマホを操作しながら、なにかを選んでいた。

 私は唯の声が山の雄たけびのように返ってくる。

 もう立っていられない。 

 限界を通り越しそうになった時、私の背中が温かくなった。

「……え?」

 私は後ろを振り返ると、そこには詩がいた。

「う、詩?」

 私はわずかな声を振り絞った。

 詩は私の背中に手を添えて、私に声をかけた。

「大丈夫?」

 詩は優しく微笑んでから、私の顔を覗き込んだ。

「……うん、大丈夫。ありがとう」

 私は少し微笑んでから、礼を言った。

「無理しないでよ。まぁ、原因は分かってるけど」

 私に言いながら、徐々に唯の方に顔を向けた。

「翔月、この人誰?」

 唯は変わらず、詩に話しかけた。

「私は花染詩。今、翔月と話していたと思うけど、もういい?」 

 詩は私の肩を組んで、唯に強く言い放つ。

「えーと…まぁ、はい。大丈夫です。じゃあ、またね、翔月」