木漏れ日の中の光

「やっぱり、水篠翔月だよね?」

 唯はやっぱり、本物だ! ほんと、久々だねとニカッと白い歯を見せて言う。

「……あ、うん」

 私は唯に手を掴まれて、身動きが取れなかった。

「同じ学校だったんだね。すごい、偶然!」

 嬉しそうに私に言うが、私自身会いたくなかった。

 あまり顔に出ないように、顔を繕った。

「そ、そうだね」

 私は返事するだけで、精一杯だった。

 言葉もうまく出てこない。

 多分――私は今、目を泳がせている。

「あ、一個違いだから先輩だよね? 敬語使ったほうがいい?」

 唯の声で急に現実へと戻った。

 仏頂面で私に面と向かって、言ってくる。

 先輩だって、思っていないくせに。

「……使わなくていいよ」

 私がポツリと小さな声で呟くと、唯はパァと明るい表情へと変わった。

「ありがとう」

 唯は微笑んで、私に礼を述べた。

 私はそんなこと、どうでもよかった。

 早く、早くこの場から離れたかった。

 手汗が止まらなく、自分で作った拳はずっと固く握りしめたままだった。

 離したくても、指先が丸まったままになっている。

「ねぇ、今から話せない?」