木漏れ日の中の光

「うぅうぅ…うわーん」

 子どものように泣きわめいて、お兄ちゃんとお母さんは私を囲むように優しく抱きしめた。

 温かい。

 人の体温はこんなに温かいんだ。

 そう思うたびに、私は涙が出て止まらない。

「…お父さんも喜んでるわ」

 お母さんは仏壇にいるお父さんの写真を横目で見て、私たちの背中を撫でた。

 それから、私は二人に引きこもった経緯をポツポツと言葉を紡いだ。

 私の言葉を聞いた二人は口をそろえて、同じことを言う。

「「何言ってんの! 翔月は可愛い!」」

 二人は真顔で私に向かって言葉を放った。

「え?」

「それでも、翔月が気になるのであれば、マスクしていいから」

 お母さんは私の手を握り返した。

「翔月。俺の妹だ。俺の顔面と妹を比較されてたまるか。なんなんだ」

 お兄ちゃんは力強く私に言い放ち、お母さんと重ねた手をぎゅっと握った。

「ありがとう」

 私は二人に重ねられた手を見て下に俯き、泣いた。

 泣きじゃくった私は、それから何事もなかったかのように学校へ行くようになった。

 変わったのは、マスクは欠かさずするようになった。

「翔月。今から学校?」