木漏れ日の中の光

「それで、美月ちゃんって誰?」

 お母さんは目元を少し手で拭ってから、私の肩を掴んで聞いてきた。

「それはね……」

 私はニンマリと微笑んで、お母さんと一緒にリビングに下りて話し始めた。

 それから、私はリビングに出て、また家族と話をするようになった。

 お兄ちゃんは私が部屋から出たことを知ると、すぐ家に帰ってきた。

「お兄ちゃん…」

「翔月! 待ってたよ。ありがとう」

 お兄ちゃんは私を責めることなく、頭を撫でて泣いていた。

「お兄ちゃん、泣きたいのは分かるけど…」

 お母さんは苦笑いを浮かべて、お兄ちゃんの背中をさすった。

「…だって! やっと翔月が出てきたんだよ。泣くに決まってんじゃん」 

 お兄ちゃんは私の胸で泣きじゃくった。

 私も泣きそうになった。

 泣くと負ける気がして、必死にこらえた。

 お母さんは二人の様子を見ていたら、独り言のように呟いた。

「…翔月、泣いていいんだよ。ねぇ?」

 私が泣きたいのを我慢しているのが分かったからか、目を細めて言った。

「…お母さん…」

 私はお母さんにそう言われてから、今まで泣かなかったのに涙がゆっくりと流れた。