木漏れ日の中の光

 この子のことを、ずっと見ていられる気がした。

 分かんないけど……

 私はお兄ちゃんのパフォーマンスを生で見られるというのに、唯の顔が目から離れない。

「翔月? どうしたの?」

 唯はペンライトを持たずに立っている私に不思議そうに首を傾げていた。

「いや……」

 私は目を逸らして、左腕に手をつけた。

「楽しまないの? ねぇ、ほら漣だよ」

 唯は私の肩を叩いて、私に目線をうつした。

 漣……お兄ちゃんは眩しかった。

 ステージ上のお兄ちゃんはお兄ちゃんなのに、お兄ちゃんじゃない。

 でも、あの笑顔はよく家で見るお兄ちゃんだ。

「うん、漣だ」

 私はポツリと呟くと、ペンライトを振って頷いた。

「ねぇ、翔月」

「なに?」

 Tallファンの声が重なり合い、盛り上がりが最高潮に達していた。

 私はそんなことはお構いなしで、唯の耳元に近づいた。

「唯は漣が私のお兄ちゃんって言ったら、信じる?」

 私の問いかけに、唯はペンライトを振る手を止めた。

「……冗談でしょ?」

 唯は真顔で私の質問に目を見開き、私の方へと身体を向けた。

「冗談じゃないって言ったら?」