木漏れ日の中の光

 私は電子チケットをスタッフに提示してから、唯に会場番号を見せた。

 すると、会場番号が隣だった。

 私たちの会場席は、なんと奇跡的に隣同士だった。

「そんなことあるんだ」

 唯も目を丸くしていた。

 ボブヘアの前髪をかき分けて、チケットをまた見返していた。

「ほんとうだよね」

 私は口を開けて、唯と同じくチケットを見た。

 何回見ても、会場席は同じだった。

 その時、会場全体が暗くなった。

「あともう少しで開演です。お席にお着きになってお待ちください。それでは、皆さん、お楽しみはすぐそこです。お待ちあれ~」

 元気いっぱいのアナウンスの声とともに会場は一気に花を咲かせた。

 今かと待ちわびているファンはペンライトを持ち、メンバーの近況や最近のYoutubeの配信を見たかなどの話題で盛り上がっていた。

 横目でその様子を聞きながら、私たちはギリギリ席に着いた。

「あ、よかった~! 間に合った! あ、始まった」

 唯は急いで来たせいか、少し息切れをしていた。

 だが、ライブが始まった途端、目の色が変わった。

「翔月! 始まった!」

 私はただ唯の表情を見ていた。