木漏れ日の中の光

 姫野唯は私の名前を聞いた瞬間、私を呼んだ。

「唯でいいよ。翔月でいい?」

「うん、いいよ」

「じゃあ、行こうか」

 私と唯は、心配や不安をお互いに補うように、手を繋いで、グッズ会場へ向かった。

「あ、これ見て。この景(けい)好きなんだよね」

 グッズ会場へ着くと、私たちは見入るようにグッズを眺めていた。

「あ、唯の推しは景(けい)くんなんだ。かっこいいし、面白いもんね」

 景は面白くて、少し天然なところがあるが、そこが憎めなくて人気メンバー。

 お兄ちゃんと仲がよくて、家にも遊びに来たことがある。

 ファンの人にそれを言ったら、プライバシーの侵害になる気がして言えなかった。

「うん、そうなの! しかも、漣(れん)とのケミがよくてさ…二人ペアのグッズないかな」

 グッズを眺めていると、景と漣のペアアクリルスタンドがあった。

「「あった!」」

 私たちは声を揃えて、一目散にグッズを取った。

 ファンが選んだケミ投票があり、何組かメンバーのケミがあった。

「うわぁ…いっぱい」

 私は思わず、声を漏らした。

 グッズ会場はレジに人が並んでいる。