木漏れ日の中の光

 水篠翔月は私を指さして、あきれたように突っ込みを入れた。

「ああ…あれ、見てください」

 さっき接客してくれた店員を指さして、私は思っていることを口にした。

「…あの店員、めっちゃ、疲れてるの。笑い方も疲れが限界超えているから。拝んでたの。お疲れ様ですって」

 私は先ほどの行動について説明した。

 水篠翔月は固まって、目を丸くした。

「はぁ?」

 顔を歪めて、水篠翔月は口調が悪くなっていた。

「え?」

「アハハハ…ハハハ」

 なぜか水篠翔月はお腹を抱えて、笑っていた。

「…えーと、なんか面白いこと言ったかな?」

 私は笑うとは思わなかったので、戸惑った。

「そうじゃない。これから、用事とかある?」

 袋を持っていた手を上にあげて、ニコリとなにかを企む笑みを浮かべていた。

 な、なに。なんか、怖いんですけど。

 その笑みに私は一歩後ずさりした。

 それを感じ取ったのか、私の右手首をがっしりと握ってきた。

 私が振りほどけないように、わざと強く握っているようだった。

 そのまま走り出して、どこかへ向かった。

「水篠さん! どこ行くの?」

 私は手を掴まれたまま、走った。