木漏れ日の中の光

 近くには私たちが通っている高校以外にも高校がある。

 多分、そこの学生だろう。

 重い荷物……なんかイベントかな?

「……詩。私だって、まだ未来まで考えられない。優しさと信じることは、必ずしも同じものじゃない。でもさ、私もこの優しさを、信じることにつなげたいと思う。詩もでしょ?」

 私は翔月に視線を向けて、信じることへの恐ろしさと恥ずかしさがあるけど、やろうとする前向きな姿勢になっていた。

 私も同じだ。

 その時、バスがきた。

「うん。私たち、これからもやっていける」

「そうだね。まだこの手にはマスクがあるけど」

 離せないでいるマスクを見つめながら、翔月はバスがきた方向へ目線を変えた。

 私も同じ方向を見つめながら、「うん」と返事をする。

「私もこの手は離せない。だけど、少しずつこの手を離せるようにしたい」

 バスが到着して、私たちの目の前で止まった。

「うん。少しずつ離していこう」

 翔月も頷き、ドアが開いた。

「翔月」

 私は手を挙げて、ハイタッチを促した。

「詩」

 お互いの手をパチンと重ね合い、バスに乗り込んだ。

 バスはなぜか空いていて、二人席に座れた。