木漏れ日の中の光

 こんな風に誰かと仲良く集まって、狭いスペースでぎゅうぎゅう詰めで笑って話してみたい。

 そんな理想…なんて、またのまた夢だな。

 女子同士だとグループが出来て、仲良さそうと思われるかもしれない。

 でも、違う。

 仲いい振りをしているだけ。

 表向きはただこの場をしのぐためだけの話題にすぎない。

 本気でぶつかって、笑い合って、認め合う関係がほしいと思ってしまう。

 私は適当に目に入ったものを手にして、レジに向かう。

 店員に買うものを渡して、交通系ICをかざして支払いを済ませた。

「ありがとうございました!」

 目尻に皺が出来るほど笑って、店員は私を見届けた。

 よほど疲れているのだろう。

 疲れを通り越して、無理している笑い方だ。

 お疲れ様ですと自動ドアを抜けたあとに、店員に向かって合掌した。

 すると、左から「なにしてるんですか?」と誰かに声を掛けられた。

 え? と声をした方に顔を向けると、そこにはマスク姿の水篠翔月がいた。

「こんなところでなにやってんの?」

 私は思わず、タメ口で話しかけた。

「…それはこっちのセリフです。なに拝んでるんですか?」