木漏れ日の中の光

 翔月は首を傾げて、聞く。

「……やっぱり、信じることは大事なんだなって。唯も鈴子もさ、優しいよね。簡単に信用しちゃダメとか思ってたけど。人に優しくするって簡単じゃないんだなって」

 少し下を向いてから、翔月を見上げる。

 翔月の澄んだ目は私を捕らえて、きちんと私を見てくれている。

「……私も信じることは悪いことじゃないって思えた。でも、まだ完全に信じるのはね、難しい。それでも私もその優しさは真実だと思いたい」

 歩きながら翔月は鞄を肩にかけ直してから、自分の靴の先端をボーッと眺めていた。

「……信じることと優しさが真実なのかは、確かめようがないしね。だけど、私たちさ、クレープ屋から、いつの間にかマスクを外してるよね。あ、手にはマスク持ってるけど」

 私は手に持っていたマスクを翔月にかかげてあははと、私は笑う。

「……確かに持っている。アハハ」

 翔月も左手にマスクを持っていたので、上にあげて微笑んだ。

「……翔月。これ、持っているってことはまだ私たち、マスクが手放せないのかな」

 私はマスクを持った手を瞬きせずに見続けた。

 翔月も私と同じく、持っているマスクに視線をうつして、立ち止まった。