木漏れ日の中の光

 それでも、私は翔月の服の袖をギュッと握った。

「……あなたたちは苦しい想いをしながらも、こうやって過ごしていたんですね」

「え?」

「あ、いや……」

 翔月と私は驚きと戸惑いが混合して、なんとも言えなかった。

「マスクがないと息が出来ないくらい心が苦しかった。それでも二人がお互いの支えになってたんだね」

 栗原さんは曇りのない晴天のような回答を私たちに伝えた。

 二人で手を握ったまま、私たちは誰かからこんな言葉をかけてほしかったんだと思った。

 私たちを知らない第三者から救いのある言葉ではなく、ただ私たちに寄り添った言葉がほしかった。

 家族や友達・クラスメイト・親戚・同級生じゃない。

 私たちの性格や気質を理解していない。

 透明のままを見てくれる人が必要だった。

「……そんな言葉がただ慰めだって分かってるんですけど。なんかもう気にしなくていいのかなって思えた気がします」

 私は目を泳がせて、栗原さんに震える声で言う。