木漏れ日の中の光

 男性は後ろを振り返ったら、あ! となにかを見つけたみたいに翔月を見て指をさしていた。

 私は首をひねると、翔月は小さい声であ! と同じように指をさした。

「詩。さっき言ってた男性、この人」

「え? この人? めっちゃ怪しいじゃん」

 私も指をさして、男性を見る。

 男性はガハハハッと空を見上げながら、豪快に笑っていた。

「ほんと、面白いね。二人。双子みたい」

 男性は目を細めて、目に涙を浮かべていた。

 そんなに笑うことと思い、私たちはその男性を冷ややかな目で見た。

「あ、ごめん。ごめん。失礼。私はこういうものです」

 男性は私たちに名刺を渡してきた。

 私は名刺を受け取ったので、翔月はどれどれと覗き込んできた。

「あ、怪しい者じゃないです」

 名刺には栗原廻(くりはらめぐる)、臨床心理士。

 私たちは同時に男性を見上げた。

 確かに、怪しい者ではなさそう。

 きちんとした仕事してるし、こうやって私たちに名乗ってくれている。

「……じゃあ、学校で絵画見てましたけど。それはどういうことですか?」

 翔月は腰に手を当てて、睨みつけるように栗原さんに聞いた。