木漏れ日の中の光

「「あの……」」

 私と女子は同時に声を出した。

「アハハ。えーと、今から帰りですか?」

 私は女子に恐る恐る声を掛ける。

「はい。あ、私は学校から近いので歩きです」

「そ、そうなんですね」

 か、会話が終わってしまった。

 帰りは一緒に帰りながら、話すことはできない。

 うーんと頭を捻っていると、女の子が遠慮気味に私に尋ねてきた。

「…私、水篠翔月(みずしのかつき)です。高校二年です。あなたの名前はなんですか?」

 同い年? こんな綺麗な子、いた?

「何組?」

「ああ…5組」

 5組か。

 5組は超進学クラスで頭が良くて、有名な外国の大学まで輩出している。

 それは、会う訳ないか。

 5組には知り合いはいないし、行く用事もない。

 そりゃあ、知りもしないか。

「もしかして、同い年ですか?」

「そうです」

 そうだよね、同い年で同じフロアの教室にいたとしても、クラス違うと面識ないしね。

「じゃあ、会えますね。あ、名前教えてもらえますか?」

 水篠翔月はおとなしめな印象だったが、意外にも積極的だった。

「…あ、花染詩(はなぞめうた)です。よろしく」

 私は思わず、手を差し出した。