木漏れ日の中の光

 私の方を見ずに、ただ絵画をじっと見つめていた。

 なんだ、この人。

 ここ、学校だから先生?

 いや、こんな人いた?

 左隣に男性はいて、私は男性の横顔を見た。

 男性はただ絵画を眺めているだけで、何も言わなかった。

 じゃあ、なんで私に声を掛けたんだろう。

 不思議に思っていると、男性は小さい声で何かを発した。

「この絵……いいですよね」

 小さい声なので、私はもう一回聞き返した。

「え?」

「この絵ですよ。なんかいいですよね」

 さっきより、少し大きい声で言った。

「はい」

 私は絵を眺めて、返事をした。

「これ見たら、少しはスッキリしたでしょ」

 そう言って、男性は消えていった。

 教師? それとも講師の先生?

 見たことがない。

 私はその場に呆然と立ち尽くし、男性の後ろ姿を見続けていた。

 まだ見えぬ世界へと導かれるように教室へ早足で戻った。

 絵画を見たら、いいんだよ、別に無理しなくてと言われているようで急に足が軽くなった。

 私は教室へ戻ったら、すぐ自分の席へと座った。

 スマホを開き、詩に連絡をした。

 唯に全部話した。

 それだけで詩には伝わる。

 すぐに既読はついた。