木漏れ日の中の光

 翔月は翔月らしく。

「私らしく……私らしく」

 自分を言い聞かせるように独り言を呟いて、スマホを持って立ち上がる。

 空き教室からドアを開けると、目の前には姫野唯がいた。

「姫野唯」

 私は目を見開き、唖然とした。

「翔月ちゃん」

 口を開いた唯は私を見てから、一歩踏み出した。

「な、なに」

「なんで私を避けるの?」

「え? いや……」

 あなたの言葉で私はマスクを外せなくなったとは言えない。

 手汗が止まらない。

「……私は翔月ちゃんにもう一回会いたくて、探してたんだよ」

 探した? なんで?

 私は顔に出ていたのか、唯は声を出した。

「……私はあの時、初めて会って意気投合してこれからも仲良くなるもんだと思ってた。だから、いなくなったときはどうしたらいいかと思ってた」

「そう……」

 私は両手を組んで、目を逸らして返事をした。

「なんで、そんな顔するの?」

 私は唯に問われた。

「……私……どんな顔してる?」

 唯の表情を伺いながら、聞き返す。

 唯は腕を組んで、ため息を吐いた。

「あまり会いたくなかったって顔してる」

 切なそうに下を俯き、手で腕を押さえて、何とも言えない顔をしていた。