木漏れ日の中の光

 先生はオッケーポーズをして、にんまりと微笑んだ。

 詩は家族のことで悩んで答えを出そうとしている。

 私の母も兄も、私を理解してくれている。

 きちんと私の話を聞いて、受け止めてくれる。

 甘えや同情でもない。

 今の私を見て、言ってくれている。

 それでも、学校でも推し活でもマスクは取れていない。

 詩は少しずつ、マスクの範囲が狭くなってきている。

 私はまだマスク自体そのままだ。

 つまらない授業を頬杖して、外を眺めた。

 外は曇り空で、どんよりとした気分だった。

 昼休みは、推しの美容インフルエンサーの美月ちゃんの動画をスマホで眺めた。

 マスクをしたまま、隅っこにある空き部屋で何も食べずに大音量で流していた。

「みんな、おはよう。今日は曇り空であいにくの雨が降りそうですね。平日で仕事の方や学校の方もいると思うので、無理せず頑張ってください。では、また夕方」

 美月ちゃんは手を振って、配信アプリの画面から消えた。

「美月ちゃん、ちょっと顔がやつれてたな。元気ない感じだったな」

 スマホを手から離して、地面に置いた。