木漏れ日の中の光

 自分の靴を見つめ続けて、翔月に伝えた。

「家族と話すのね」

 翔月は私の言葉をなぞるように、言葉を紡いだ。

 翔月の影が差し込んでいた。

 夕日が差し込んで、もう少しで暗くなりそうだった。

「……うん」

 お互い空を眺めたまま、夕日が沈むのを待っていた。

 言葉を交わさずとも、ただいるだけで安心した。

「詩はこれからどうする?」

 翔月は私に問いかけてきた。

「うーん。帰る家はひとつしかないからね。はぁ」

 私はひとつため息を吐いたあと、立ちあがった。

「……詩」

「分かってるよ。帰りたくなかったら帰らなくていいって。でも、このまま逃げちゃダメだと思うから」

 私は前を向いたまま、意を決した。

 もう、私は逃げちゃダメだ。

「じゃあ、私も帰ろうかな」

 翔月も立ち上がり、隣にいる私にニコッと微笑む。

「一緒に帰る?」

 私は翔月に首を傾げて聞くと、うんと元気いい返事が返ってきた。

 私と翔月はゆっくりと歩き出した。

 お互い腕を組みながら、静かに何も言わなかった。

 周りは騒がしかった。

 外なのにカップルは好きと言い合いをしていた。