木漏れ日の中の光

「なんで翔月がここに」

 私は目を見開き、翔月を見る。

「凛さんから連絡もらった。ここらへんにいるかもしれないからって。それで探して、ここに辿り着いた」

 翔月は笑顔を浮かべて、手をベンチに置いて答えた。

「……ふーん」

 私はそっけなく返事をした。

「詩は詩だって。なんかあったの?」

 翔月は私に聞くと、私が話すのを躊躇しているのに気づいたのか、私の答えを待っていた。

 数分間、私は下を向いて黙った。

 最初に言葉を出したのは、私だった。

「……私がマスクを取れないから。母さんが近所の人から言われたみたいで。それで、母さんに怒られた。分かってるのにね、私がマスク取れないの。それでも、母さんのご機嫌に釘をさしたみたいでさ。それでちょっと喧嘩して。もう嫌になって本屋行って、これとこれもらって。ここでゆっくりしてた」

 私は早口で翔月に言い、空のコーヒーと本のペーパーを上にあげた。

「そっか」

 翔月は足を組んで、頷いた。