木漏れ日の中の光

 美味しい。

 今は暑さも少し和らいできて、ちょっと寒くなってきた。

 コーヒーはちょうどいい温度で温かい。

「ふぅ……ここどこだろう」

 都市部に行ったはずが、少しだけ歩くとなにもない平凡な田舎街であった。

「なにもない」

 私みたい。

「はぁ」

 コーヒーを一口飲んで、またため息がでた。

 凛には申し訳ないことしたけど、凛といても今はマイナスな言葉しかでてこない。

 飲んだコーヒーをベンチに置き、両手を後ろにして、小雨になった天気をただ眺めているだけだった。

 ズボンのポケットにスマホを入れていたので、通知音が鳴り響いていた。

 スマホの通知を見ると、なぜか翔月からだった。

 翔月からの内容は――大丈夫? の一言だった。

「なんで?」

 私は翔月のメッセージをタップして、画面越しにいる翔月に言った。

 そこから、また翔月からメッセージがきた。

“凛さんから聞いた。なにかあったんでしょ? 連絡ください”

 翔月は私のことを心配してくれたのだろう。

 でも、もう翔月には迷惑をかけられない。

 スマホを握りしめたまま、私は項垂れた。

 ふと目に入ったので、ベンチに置いた本のペーパーを手にした。