木漏れ日の中の光

「めっちゃ濡れてるじゃない。ちょっと…風邪ひくよ」

「大丈夫だから」

 私はそっけなく返事をした。

「ほら、こっちで拭くから」

 リュックからタオルを取り出して、私の顔を拭こうとした。

「…大丈夫だよ。ありがとう」

 私は凛の眼差しがヒシヒシと伝わってきたので、目を合わせずに答えた。

「詩。なんかあったの?」

 凛は私のことを気にかけてくれるのはいいが、今は誰とも話したくなかった。

 受付の隣には本のペーパーとコーヒーがちらりと見えたが、そろそろなくなりそうだった。

 なので、私は凛の言葉を無視して、早足で受付の隣に行き、店員から本のペーパーと温かいコーヒーをもらった。

「詩!」

 凛の言葉をまた無視して、私は本屋から反対側の出口から出た。

 まだ雨は降っていたが片手に本のペーパーとコーヒーを持って、また駆けた。

 どこに行く当てはないが、走って走って、顔を上げた先はバスの停留所だった。

 使われていないのか、木製のバス停留所の看板が外れそうになっていた。

 近くにあったベンチに座りこんだ。

 片手にあったコーヒーと本のペーパーをベンチに置いた。

 コーヒーを飲むので、口につけた。