木漏れ日の中の光

 学んでは、損はない。

 心の中で、その言葉を繰り返した。

 ちょっとの未来か……

 朝から黒望先生から出された課題に黙々と取り組んだ。

 少し飽きてきたので、クラスメイトは友達のところへ行って、話をし始めていた。

 それを見て、私も鈴子のところへ行った。

「鈴子」

「…なに?」

 鈴子はシャーペンを持ち、テキストとノートを同時並行に見ながら課題を進めていた。

「あ、話しかけちゃ悪かった?」

「いや…大丈夫」

 書くのをやめて、鈴子は目の前にいる私に目を向けた。

「ねぇ、なんか変じゃない?」

 私は鈴子に聞きたかったことを口にした。

「なにが変なの?」

「鈴子、気づかない? 黒望先生、いつも通りだけど、なんかいつもと違う」

 首をひねりながら、私と鈴子は黒望先生の方を見る。

「そうかな。普通じゃない?」

 鈴子はそう言いながら頬杖をついて、じっくりと黒望先生を観察する。

 顔から足まで隅々まで見ても鈴子は「分からないなぁ」と呟いて、またシャーペンを手に取り、テキストを開き始めた。

 これは、勉強したいサインだな。

 私は黙って、自分の席へ戻った。