悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「甘くてふわふわカリカリさくさく、うふふ、これはストレートの紅茶を飲みたくなるわね。すっごくおいしい!」
「嬉しいです。クリティア様ならいくらでもサービスするので、どうぞ召し上がってください」

 すごく美味しいけど、食べ過ぎたら太るぜよ。

「ではぼくは全種4皿ずつもらおう、ユージーン嬢」

 さっきお好み焼き串を20本食べた後なのに、金に糸目をかけないセレブムーブをかますアフロン。

「え、ええと、貴方様はわたしを知っているのですか? こちらのもふもふ髪の不思議なお方は………………クリティア様のお知り合い、です?」

 人当たりがいいヨイが怪訝そうな顔をしている。
 あ、そうか。他の人はアフロンを知らないんだ。

「これはカイン王子の変装よ」
「…………………殿下?」

 ヨイの周りにいた使用人たちも凍りついている。
 うん、まあ。

 このやりすぎ変装変態姿の男が王子なんて思わないよねー。ハハハ。

「ちょっと待ったーーーー!!」

 なんだかデジャブな展開。
 ロブソンが野の花を握りしめて突撃してきた。

「愛しのヨイ嬢の手作りたこ焼きをアーンしてもらうのは僕の特権だ! どこの誰とも知れないアフロは引っ込んでいるんだな!!」

 まだヨイにアプローチしてたのか、このお花畑。

「もう近寄らないでくださいと50回は申しましたのに! お客様でない方はお引き取りくださいませ!」
「ぐふぉ! 愛が痛い!」

 ヨイの回し蹴りがきまり、地面に倒れ込んだお花畑は使用人につまみ出された。

 あ。私もそろそろ休憩が終わるし、店の仕事しなきゃ!