悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「さっぱりして美味しいです! こうして大根をおろしたものと合わせると香りがよくて。暑い時期にぴったりですね。俺、村の人にも教えたいかも。いいですか?」
「どうぞどうぞ」

「これはまた酒が進みそうな。野菜もとれるし、暑い日にはこれを出しましょうか」
「ぜひお願いするわ!」

 ふっふっふ。これでまた食卓に一品和食が並ぶ。
 デールが日に一度は和食をメニューに加えてくれるから、日本のご飯が恋しくなったときに嬉しい。

「こっちはバゲットのカナッペに野菜のペーストを塗ったものと、フライドポテトを用意しました。ポテトは食べやすいサイズで揚げてピンに刺しておきました。あと一口サイズのおにぎりを。おにぎりに刻んだ野菜をまぶしてみました!」

 クックが皿に並べて見せる。
 最近雑用以外を任されることが多くなったから、すごく楽しそうだ。メニュー開発に余念がない。

 アメリカで寿司がカリフォルニアロールになったように、この世界で和食が独自の進化を遂げるのってなんかいいわね。

「味見していい?」
「もちろんです!」

 混ぜご飯のおにぎりは、この世界特有の野菜が細切れで入っている。香りがよくて、自然とほほが緩む。